第50話 ずっと愛してるよ




♡軽快なイントロに合わせ、まずはマキノのコーラスパートから、ぶっつけ本番なのに音合わせもせずに一発でキーを合わせる。


 続いてあさひの歌い出しを盛り立てながら。あさひは夏を貫くような高い声で歌詞を声に変えていく。


 会場中が身震いしたの、舞台袖で最後のライブをみていた演歌歌手の近江舞子でさえその、各々の歌唱力の高さに驚いていたわ、しかも生でリハなし。

 

 beni5は多才だからあまり歌のことは注目されていなかったんだけど。

コーラスグループとしても超一級だからいままでファンがついていてくれたのね。♥




「皆様ありがとうございました。ねっ、すごい盛り上がっちゃったね。楽しかったね。ではこれで最後の曲になります。色々といい思い出がよみがえってくるんだけど。ファンのみなさんと駆け抜ける事ができてしあわせでした。

 次の曲は初めて私たちbeni5が作詞した曲で思い入れがとても強いものとなっています。」


「そうだね、夜遅くまで歌詞を考えたもんね。」


「ソウミンナノ心二届クヨウ、一言一言ヲ大切二書イタンダヨ!」


「この歌はぁみんなの大好きな人に感謝をぉするための歌なの。」(←いぶき)


「愛する誰かを思って聞いてください。」


「せっかくだからだ、マキノのおばあちゃん達が袖で見ててくれているから、

一緒に並んでそして歌おうか!」


「いいねぇ。じゃぁ、MCさん、ちょっと仕切ってもらってもいいかな?」


「わかりました、では、beni5さんの最後をもっと盛り上げましょう!では、近江舞子さん、そしてこのあとにミス弁天のプレゼンテーターにえらばれました、今津浜さん、伊香洋子さんも壇上におあがりください。


 ねっ、もう竹生のみなさんはご存知だとおもいますが、ここにおられる、今津浜さんは、なんと高島マキノさんの実のおばあちゃんなんです。」




+++++++++++++++++++++




♡あーあー、莉央ったら、みんなを舞台に引っ張りあげちゃって、いいよ!最高の花道ね。私もこの歌を聞いたらかえろうかな、ちょうど潮時みたいだしって、

………えっ!みんな、あっ、私の神様先輩たちが揃って会場に来てくれたの。♥



◯サラちゃん!私会いに来ちゃった、お見送りくらいさせてよ!●


♡あっ、ナミさん来てくれたの!♥


◯もちろんよ!ずっと1500年もこの街をみていてくれたもんね。●


♡ちょっと、泣けてくるじゃない。あっ、あれからナギさんは?♥


◯まだ高天原クリニックに入院中、手術は成功したんだけど、まだ動けなくて。●


♡そうなんだ、ごめんね。地域統括の話もなんかこんな事になっちゃって。♥


◯いいのよ、サラちゃんは気にしなくても。白ひげさんがしばらく面倒を見てあげるって。●


□そうじゃ、全くのとばっちりじゃわい。◼︎


♡あっ、白髭さんまで来てくてたの。♥


□最初から最後まで本当にじゃじゃ馬じゃのう。◼︎


♡ご迷惑をかけています。てか、麻雀での貸しあるんだけど。♥


□そんなもんあったかいのう?ふぉふぉふぉっ。◼︎


♡油汗流しながら笑わないでよ。もうチャラにしてあげるわ!♥


□相変わらず強気じゃのう。◼︎


♡じゃじゃ馬ですから。あっ、ごめん、ちょっと説明させて、聞いている人が追いてけぼりになるから。


 ここにいる綺麗なお姉さまは、イザナミノミコトさんで「ナミちゃん」、隣で油汗を流して笑っているのが白髭さま。ふた方とも私の大先輩なんだ。もう、任をとかれたから最後に見送りにきてくださったの。♥


☆弁天、お疲れさまだったな、君がいなくなると寂しいよ★


♡なによ、龍神まできてくれたの!えっ花束なんか持って、私に?♥


☆ああ、前から言おうとおもっていたんだ、君のことが好きだった。★




♡なんで、もっと早くいわないのよ!あんたね、いつもそういうの遅いのよ、だいじなことなら、もっと早くいってよね。それになによ、こんなドタバタの最後の最後に、もっと◯♨︎▷★。。。。。。♥



◯サラちゃんもういいじゃない。それより最後の祈りがはじまるよ。●



♡はぁはぁ、私も混乱していたわ、beni5にとっても最後の歌、それは最後の祈り。


 その祈りと共に私はここで過ごしてき様々な思い出を思い出していたの。人々が湖のほとりで暮らしてきて、そして泣いて笑って死んでいく。

 そうやって連綿と続いてきた人の生活をみるのもこれで終わりだとおもうと、ちょっと泣けてきちゃったの。マイクを握り歌うあの子達が私を励ましてくれているみたいで。本当にここで修行できて幸せだったと思ったの。♥



+++++++++++++++++++++



「では、私たちを大切にしてくれた全ての人たちに、祈りを込めて最後の曲を贈ります。聞いてください。。。。ずっと、あいしてるよ。」



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