第43話 決戦日
♡私たちがマキノ手がとどきそうな時、竹生町でも大きな動きがあったのそう、あさひたちが竹生に到着したのね。
東京のあさひたち一向が、夜を徹して高速を走り明け方に居酒屋日吉に着いたの。車は二台あさひ達をのせたbeni5号と現地スタッフの男性社員たち。
イベント冒頭からbeni5の解散までをネット配信することになったの。その後の近江舞子のコンサートは著作権の関係上流すことはできないんだけど。♥
「あんたら、よう来てくれたなぁ。」
「おばあちゃん、マキノから連絡はありました?」
「それがまだ無いんよ、優作ちゃんが探してくれてるんやけど、連絡も無くて。」
「きっとマキノは帰ってきます、お祭りに間に合わないかもしれないけど
私たちがイベントで歌っていることを聞いたら絶対連絡してきますから。
だから、おばあちゃん信じてまちましょう。あのこは、そんなヤワじゃないから!」
「ありがとう、あさひちゃん。。。」
「ところでメガネはどうしてるんですか?」
「ああ、いっちゃんかい、さっき役場に出前持って行ったばっかりだ、なんだか、駅から祭り会場までのバスが少ないから、夜を徹してバスを掻き集めたり。イベント変更で関連企業に電話したりと、一人で八面六臂で働いているよ。」
「役場にいるんですね。殴りに行ってくる!」
「ちょっとあさひぃ!そんなことしてどうなるもんでもないでしょ!」
「ちがうよ、あいつのためにだよ、誰かがけじめつけてやんなきゃあいつもマキノのように後悔を引きずるだろ!それに莉央も立ち直れない!」
「わかった、あさひちゃん俺がついていくわ。いっちゃんのけじめきっちり見届けてやる!」
「みんなはここで待っていて、全員で行っても邪魔になるだけだし、コンサートの用意をひなつとさくら、技術部門の打ち合わせはいぶきに頼める?」
「ああ、行ってこいよ!俺たちの分も派手にやってきてくれ!」
♡例年のお祭りなら観客合わせても2千人くらいなんだけど、昨日テレビやネットを巻き込んだ件で来場者数予想が一気に3万人になったの。
もちろん、竹生にそんな人数をさばけるキャパなんてない、一夫はすべてのコネを使い、警備、運送、告知、トイレまで一人で交渉しているわ。片手に携帯を持ち、パソコンでメールを同時に10本もこなし、まるで人間コンピューターみたいに交渉をしているの。
もちろん役場の人たちも手伝ってはいるんだけど、メガネ、いや、一夫のその動きについてこれなくて何人かもうダウンしているみたいその修羅場に
あさひが怒鳴り込んできたの。♥
「おい、メガネ!きてやったぞ!そこにいたかぁ!」
「いっちゃん!けじめを見届けにきたぞ!」
♡一夫は席をすっくと立ち上がりあさひを見ている、突然のことにダウンしている役場の人も目を覚ましているわ。♥
「いい覚悟してんじゃん!いいのね?」
「はいっ!」
♡一夫がメガネを外して机に置く、そしてあさひが腕を高くあげて、その腕を一夫に向かって振り下ろす、あさひの掌は一夫の頬にヒットしてキレのいい音が室内に鳴り響いたわ。♥
「ありがとう、ございました!」
♡あさひが渾身の力で頬を打ったの、一夫の頬は赤く紅葉のようにあさひの手形を残していたわ。♥
「いっちゃん、みなおしたよ、それこでそ男だよ。ちゃんと見届けたから。」
「あんた、それでいま困っていることって何よ!言ってみなさい!」
「はい、あさひさん、警備は県内のシルバー人材を丸ごとこちらで確保することができました。
それと、県内のボートクラブ、黒壁町の商工会、青年団も応援にきてくれるとのことですが、、、トイレだけは確保できません。予想は3万人、竹生の公共のトイレ、コンビニだけではさばきききれません。」
「うちのトイレも開放するよ、いっちゃん商工会もなんとかできないか、お袋の聞いてみる。」
「浜さんなら、なんとかしてくれるかも。日吉お願いできるか!」
「そっち俺が話しつけるわ!だから、いっちゃん頑張れよ!」
「恩にきる、日吉。」
♡一連のやりとりも見ていた役場の職員にむけてあさひが話したの。♥
今回の騒動の発端は私たちbeni5の責任です。皆様にご迷惑をおかけしてすみませんでした、わたしたち、beni5ことネルカリはみなさんの力になれるように人員を連れてまいりました。
当社でイベントの放送を受け持たせていただきます。動画には広告をつけて、その収益をこの竹生町に全額進呈いたします!
♡予算の厳しい中でのイベントで、今伸び盛りの企業が全面的にバックアップについてくれることは、願ってもいないことだったの。役場の職員たちも、援軍をうけて力がみなぎっていったわ。♥
「メガネ!いや、伊香さん、莉央が胸を張って誇れる父になってください。」
♡あさひはそう言い残して日吉と帰っていった、一夫は嬉しくて涙がこぼれそうだったんだけど、それはイベント終了まで我慢することにしたの。
がんばれ、みんな!♥
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