第32話 リハーサル




♡開けて翌早朝、明日に迫った竹生町町政100周年祭の告知のために、マキノ、莉央そして市長が大阪のテレビ局に向かおうとしているわ。


 朝5時40分、マキノが駅のベンチで座っていると、市長と助役がやってきたの。♥


「おはようございます、市長お疲れ様です。」


「高島君、今日はよろしくね。もう明日だね百年祭も。」


「はい、みんな気合入ってますよぉ。市長もお祭りのアピールお願いします。」


「わかったよ、頑張るからね。」





♡それから5分後、ローターリーに車が回って来ると、洋子の運転している車から莉央が慌てて降りたの。♥





「はぁはぁ、間に合ったぁ。」


「ギリギリセーフだね。はい、切符買っておいたよ。」


「あっ、わたし。イクノカ※持ってるけど。」(※スイカの地方版)


「いいじゃん、街を代表していくんだから、はいっ。」


「あっ、市長さんおはようございます。市長ガツンとお願いしますよ!」


「伊香ちゃん、頑張ってみるよ。フォローよろしくね。」


「もちろんですよ!」





♡百周年のイベント前日、大阪局が製作している朝の情報番組で竹生町町制100周年祭の告知枠をもらった実行委員たち。


 近隣の街に来客を呼びかけるため市長スピーチの補佐として助役と一緒に二人が同行することになったの。


 一行をのせた電車はのどかな田んぼばかりの田舎から、コンクリートに包まれた市内に入っていく、みんな少しドキドキしているかな。♥






「マキちゃん頑張って市長を盛り立てようね。」


「うん、でも、いつものようにリラックスしていこう。こういうのって普段のままがいいんだよ。」


「二人とも、そう言ってくれると心強いよ。」





♡最寄駅で番組担当と待ち合わせをして、竹生の面々は放送局に入っていく

マキノはちょっと昔をおもいだしていて少しギアを上げたの。


 担当に連れられてスタジオに入るとそこには、芸能人の演者が打ち合わせをしながらマキノたちをみていたの。♥






「おはようございます!今日はよろしくお願いします!」





♡マキノはつい長年のクセで、演者さんたちに頭を下げたの、演者もびっくりしちゃって。そこには美女二人と身長の高い男が立っていたもんだから。♥




「えっと、どちら様でしたでしょうか?」


「あっ、はい、今日の地域のイベントコーナーで紹介させていただく、竹生町の実行委員です。」


「あっ、そうなんですね。てっきりゲストさんかと思ってしまいました。よろしくお願いしますね。」





♡だよね、一般人が突然に現場挨拶なんかしないわよね、これには莉央もびっくりしていたけど。


 まぁ、ローカルな演者よりもこの二人の方がオーラあるわね、なんて言ったって無敵の二人だから。


 マキノたちは別のセットでリハーサルをやっている。

丁寧に竹生の特産品が並べられていて、お祭りの告知映像まで用意されていたの。ちょっと気になることがあるんだけど、市長が脂汗を流して、何度もハンカチを額に当てているわね。


 そして莉央の様子もちょっとぎこちないかな、きっと緊張しているんだよね。でも、マキノは元トップアイドル、すぐに現場の雰囲気を読んで体を慣らしているわね。もうすぐ番組始まるよ!頑張ってアピールしなさい!♥

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