第23話 車中泊




♡東京にほど近いサービスエリアで、ベンガラ太郎の所属事務所が開くタイミングで時間調整しているマキノたち。

 東の空から朝日が降り注ぎ少しまどろんでいると、突然マキノのスマホに通話着信があったの。♥




「えっ、こんなに早く、あさひからだ、何だろう?」


「もしもし!マキノ。また水臭いじゃない!なんでわたしに電話してこないのよ!こっちに来てるんでしょ!」


「えっ。なんで、あんたが知ってるの!あっ、さては莉央の仕業?」


「ちがうわよ!珠さんからメールが来てたの!」


「いっても、とんぼ返りだよ。あたしたち。」


「話は聞いたわ、地元のお祭りで大変なんだって!」


「うん、そう、呼ぼうとしていた人が不祥事で。その事務所に代わりのタレントさん呼んでもらえるように交渉に来たのよ。」


「わかった、どこに行けばいいの?」


「はぁ、あんた何いってんの!あんたはあんたの仕事があるでしょ!」


「とりあえずわたしも行くわ。だって、長浜社長絡みって珠さん言ってたからほっとけないでしょ!」


「そうだけどさぁ。。。」





♡結局、午前中あさひも助っ人に参戦してくれるみたいで、マキノの乗ってきたワゴン車に合流したのね。そこで、犬猿の中の虎姫と再会しちゃったの。♥





「あああ!てめー、なんでいるんだよ!」


「あの、この方は?」


「ちょっと、委員長がびっくりしてるじゃん、この子があらたあさひです、あたしの知り合いで。」


「こんにちは、あらたです。いつもマキノがお世話になっているみたいで、ありがとうございます。」


「おお!あさひがぁ、おめぇもひっさしぶりだなぁ。あいかわらず、きゃんきゃんうっせぇなぁ。」


「なんだと!てか、なによ、その話し方!」


「おら、むかしからこんな話し方だ!、おめぇらの前でちょっとかっこつけてただけだぁ。」


「んだと、バカにしてんのか!降りろ!こら!」


「あさひも、虎姫くんもやめて!交渉しにきたんでしょ。」


「んだ」「そうよ!」





♡まぁ、あさひと虎姫はむかしから闘争心バチバチの仲だからねぇ

いがみ合うのはもう見慣れたもんだけど、二人が揉めていると後部座席で寝ていた莉央が起きてきて。♥





「えっ、あっ、ねーさんじゃん!なんで、なんでここにいるの?」


「あっ、莉央じゃん!元気してた?」


「うん、久しぶり。元気だったよ、ねーさんは?」


「あたしもまぁ、それなりに。それより、トラブっている内容を教えてよ。」


「んだ、あさひ、これから説明したやっから、耳の穴かっぽじってよぐ聞けよぉ。じつはな。。。。。ってことなんだよぉ。」



「なるほど、だから、マキノが来たのか。」


「ごめん、なんせ昨日の夜中に決まったことだから、突然すぎちゃって。」


「まぁ、いいわ、こんだけの人間がいれば、話も通りやすいでしょ。」


「えっ、あんたも付いてきてくれるの?」


「そっちの方が相手も安心するでしょ、うちの会社もなんか絡んでいるとか言ったら信用にもなるでしょ。それに長浜社長の絡みってことも気になるし。」


「ありがとう、あさひぃ。」


「だから、はじめから言えっていってんでしょ、それよりも策は?」


「無ぇ。」


「なるほど。………てか、だめじゃん!」


「会ってみないごとには話も進まんだろ、こっちは時間がねーんだ!」


「よくで東京まで出てきたわね。」


「えへへへ、だよね。」


「なにマキノも笑ってるのよ、あっ!あんたもノープランで竹生にたどりついたもんね、当たって砕けろかぁ。」


「他のタレントダメだったらヨォ、beni5の再結成コンサートでもすっか?」


「しないわよ!」




♡あと2ヶ月しかないけど、こんな感じで大丈夫なのかしら?

先行きが不安だけど。まぁ、なるようになるわよ。♥


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