第15話 神の使い
♡居酒屋日吉で実行委員のメンバーたちがお酒でバタバタと倒れていく。
その原因は………莉央。
まぁ、この子飲ませ上手っていうか、メンバーたちに矢継ぎ早にお酒を注いでいくの。潰れたメンバーから奥の座敷でごろ寝状態。そして日吉もだいぶ飲まされてダウン。浜はとっくに寝ちゃってるし。
結局板の前にはマキノが立って料理をしている状態に、ただ、どんだけ飲んでもマキノと優作だけは顔色ひとつも変えずに。二人ともおとなしそうに見えて底なしの酒豪なのよ。まぁ、莉央もだいぶ回ってるみたいだけど。♥
「で、あんたらさぁ、どこまで行ってるわけ?もう、やっちゃったの?」
「何、言ってんだよ。莉央おまえも飲みすぎだぞ。」
「あら、いいじゃない!らってさ、気になるんらもん。」
「莉央ちゃん大丈夫?あのさ、こんな時間だし、送っていこうか?」
「なによぉ、子供扱いしんといて!わたしやって、一人前の大人の女やもん!」
「はいはい、莉央ちゃん帰るよ。」
「いいよ、俺が送ってくわ。さすがにここまで泥酔ではダメだろ」
「優ちゃん、エロいことするんでしょ!」
「するか!ぼけ!」
「うん、マキちゃん送ってよぉ。優ちゃんが怒こったぁ。あれっ、ちょっと気持ち悪いかも!うっ!」
「あーあー、飲み過ぎなんだよ!」
「優ちゃんもれしょ、ぎもじわるぃ!」
「えっ、莉央ちゃん、トイレ行こ!ねっ。トイレ!」
♡マキノが莉央の背中をさすっているわね。だいぶ飲んだみたいね。
てか、莉央がここまでへべれけになるのって珍しいわね。
マキノはトイレで莉央の背中を摩ってあげているわ、マキノも相当飲んでるハズなんだけども。結局カウンターに座ってほちほちとつまみを食べている優作が店番してるみたい、カッコイイところとカッコ悪いところが半々の優作ってなんか味があっていいわぁ。♥
「あの、あの、先日はどうもありがとうございました!あなたが助けてくれたんですよね。」
♡ん?あれっ、こいつもだいぶ酔いが回っているのかな?えらくはっきりした独りごとね。♥
「あの、いつもここにおられますよね、てか、あの、神様か何かですよね。」
♡えっ、こいつ、私を見てる、えっ、なんで?なんで、人間に私が見えるの?
あのさ、もしかして、あんた、私に話しかけてる?♥
「あっ、はい、あなたの他には誰もいないでしょ。この前、溺れかけた時にボートを使って助けてくれたんですよね。」
♡エエエエエエエ!まじで、いつから、あ、あ、あ、た、私が見えるのよ!♥
「ずーっと前から見えてますよ、ひらひらした着物着ておられるから、なんかのコスプレの人かと思ってました。」
♡ちょ、ちょ、ちょ!あのさ、人に私が見えるって、もしかして、あんた、使いなの!♥
「えっ、使いってなんですか?」
♡神の声を直接聞くことのできる人間よ!、だいたい、カラスか、鹿ってきまってんだけど、ごくたまに人間と話せることができるのよ。
てか、私人と話せるって、神レベルが最高になったわけ?まじで、いやいや、まだ1500ねんよ、無理無理、そんなの、無理だよ!♥
「あの、よくわかんないですけど、声かけたらまずかったすかね?」
♡あのね、私たちには階位、そうレベルがあってね。人間と話すことができるのは、最上位でないとできないの。
いままで、織田信長とか、徳川家康とか、時代に名をはせるような人間しか、会話できないんだけど、なんであんたみたいな。ひょうきんそうな男が、
いや何かの間違いだわ。だって。あれって5000年越えないと、そんな神通力持てないもん。♥
「ひょうきんってあんまり言われたことないっすね。」
♡違う、ひょうきんって顔のことを言ってるの。なんでも、いいわ、あのね、このことを絶対に、誰にも言ったらだめよ、じゃないと、あんたに呪いがかかちゃうわよ♥
「言いませんよ、というか、そんなの誰も信じないでしょ。あっ、ごめんなさい、小学校のころからみんなに言ってました。
でも誰も信じてくれませんでしたよ、優作は不思議な力があるんだねって、おばあちゃんに頭をなでられたかな。」
♡げげっ!てか、人間的に随分前からじゃん!。おかしいわね、私に人の使いができたって、高天原の本部からそんな通知も来てないのに。
まぁ、いいわ。あのね、わたしはただ見てるだけしかできないの。
そらちょこっとは人間世界に介入できるけど、でも木の葉を一枚おとせるくらいの力だよ。♥
「じゃぁ、僕を助けてくれたのは、あなたでは無いのですか?」
♡うん、残念だけど、違うわ。てか、わたしも不思議だったのよ。つか、今度カッパにでも聞いておくわ。♥
「カッパって、えっ?あなたは、妖怪なんですか?」
♡
「莉央大丈夫?ねぇ、私の部屋に泊まっていく?」
「だって、優ちゃんがいるからイチャイチャHするんでしょ、悪いじゃない!」
「だから、何にも無いってば!バカか!早く寝ろ!」
「わーい、マキちゃんのお部屋でお泊まりだぁ。」
「ごめん、優くん、莉央わたしの部屋に寝かせておくわ。」
「ああ、そうしてやってくれ。じゃぁ、俺、帰るわ。」
………
♡焦った?てか、なんで、あいつは私が見えるの?おかしいじゃん。
あんなヘラヘラしたのが
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