第09話 手紙



♥社長の四十九日の法要がおわって資産整理に入ると、弁護士から社長の遺書がみんなの前に出されたの。

やっと気持ちの整理が出来た頃だったな。♥



⬛︎



「 背景beni5様

 

なんや、みんな元気にしてるか?ワシはもう天国や!ここもええとこやで、また天国で夢見心地の続きや!最高の人生やった。ほんまに、わしは君らにええ夢を見させてもろたわ!


 わしもう先が長くないの隠しててすまんかったなぁ。気がついた時はもう手におえんかったんや大事な事を言わんでほんまごめん、心から謝るわ。


 みんなそんなに高くない給料でよう頑張ってくれたなぁ。そろそろええ歳やし、チーム解散してくれてかまへんよ。わしはいっぱい夢みさせてもろたさかいに、言うてたらちょっと泣けてきた、もう泣く涙はないんやけどな。


 いちおう、花嫁の支度金として、一人3500万用意しといた。まぁ、みんなのお父ちゃんとして、これくらいさせてくれ。あっ、弁護士さんにちゃんと税金のことも税理士さんに言うように言うたるさかいに。


 これからのことはキミらにまかせるわ、今まで通りで共同経営でやっていってもろてもええで、社長は虎姫くんにしておいたけど。みんなで、どうするか話会って、こんなもんかな。


 ちゅうことやさかいに、みんな幸せになってくれ。ひなつ、いぶき、さくら、マキノ、最期に「あさひ」みんなの未来に特大の幸せ願ってるわ。


ずっと、愛してるよ!

                                                                長浜一郎





「ほんとに身勝手ね、社長…腹がたつほど、大好きだよ!」




♡なんだか、まだあさひは立ち直れていないみたいね

社長のことを口に出さないように必死に笑顔を作っていたけど

やっぱりこんな手紙を出されちゃ、泣いちゃうよね。

いつものように四人があさひを包み込み丸くなっているわ。

立ち直るのに期限なんてないから納得いくまで泣きなさい!あさひ。♥

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る