第27話

今朝犬を散歩していたら、ごま塩頭で、全体的にグレーな髪色の毛をした男が、例のマンション間近のコンビニから出て来て歩き出した。手には白いビニール袋、中にはインスタントの鍋焼きうどんみたいな物が入っている。               

彼の着衣は、下が薄いグレーのズボンで上には紺の上着だ。コートではなく、ブレザーではないが、背広の上着みたいな。なので髪とズボンがどちらもグレー。髪が濃くて、ズボンが薄い色の。             私は後ろを離れて歩く。すると彼は何度も気にしながら振り返る。警官睨み、あの首を下にして斜め後ろを見る見方を私へ何度かする。                  足は長い方だが、顔がマズイ。かなりのタレ目で、安っぽい、皺の多い顔だ。普通の(水商売の)女なら、お金が無ければ、まずこんな男を相手にしない。見た目だけなら。  お金があるか、よほど中身が面白いだとか何かでなければ。             そう言えばこの男は、何度か見た事がある。つい先日も朝、あのコンビニ前に立っていた。                  たまに朝、あそこでタバコを吸っている警官もいるが。あのマンションから出て来て、買い物をした後や、しなくても吸ってからノンビリと署へ歩いて行く。         だから今日、このごま塩オジサンを又見たが、いつも同じ格好だ。他の同じ位の年の男達の様に、上下同じ色のスーツではなく、又、普通のコートを、やはり同じジジイ達の様に着ていない。            少し変わった感じだ。大人しそうで、しょぼくれて見える。もう、顔がそうだ!    余りにこちらを振り返って気にするから、 なんとなくついて行った。何故なら横断歩道を渡ったからそのまま警察署へ入って行くかと思ったら、素通りしたのだ。遅刻するよ、良いの?!               この間も確かコンビニの前にいて、私に気付くと、すく隣にあるまいばすけっとへ急ぎ足で入って行った。            そのまま警察署へ入るのを見られたくないのだ。あのマンションへ泊まってから、朝そのまま行くのが。             でなければこうして書かれたりするのが??でもあそこへ行かずにいられない…。体が我慢できない…。他の通っている男達同様に。                 で、何か犯罪者みたいに何度も後ろを!、ああした警官睨みや、普通に顔をかすかに後ろに向けてこちらを見て、やたら気にしている。可愛そうな位に?!         つけているとでも思っているし、その態度が何か凄いから、逆に面白くなって来た!  それならついて行ってみようか?一体どこで曲がって、警察署へと向かうのかな?   そう思い、離れて付いて行くと、結局警察署裏の道を行き、結果国産車の、何か部品だとかの?工場だか何かの所へ出た。     すると急いでそこの裏口へと入る。だから少し近くへ行ってみたら別の男が出てきた。中年の男が。               私に何か用かと聞いたから、ただ犬を散歩しているだけだと言った。何か、オシッコだとかの匂いがするみたいだから近づいたと。 「ああ、そうですか。」       

 私は少し離れた。するとゴマ塩皺男が中から出て来た。そして近くにある外階段を登って行く。                するとさっきの中年男も上がっ行った。次には又もう一人違う、やはり中年の男が入口から出て来た。この男も階段を上がった。  私は何気なく階段を上がって、屋上の3人を見た。高さはそんなには無いからハッキリと見える。                すると、あのグレー頭の惨め顔が私を見ながら一生懸命に話していた。途中笑みを浮かべながら。                流石に中身は聞こえなかったが、様子がそうだ。こちらを見ながら、したり顔で何かを話していて、他の二人もへーッ?!、と言う感じで相づちを打ちながら、笑っている。嫌な感じだ。                あのしょぼくれ男、さっきまではあんなに嫌そうな、オドオドした様な感じで、ドラマの犯罪者みたいだったのに?! 笑     あのモロ灰色頭と、皺が目立つ顔が余計に惨めさを醸し出す…。           よくこんな男に抱かれるな。流石イアンピー!!安く、日本の男に貢献しているなー。猿顔でもあるこの男を見ながら,実感した肌寒い今朝の出来事だ。そして彼も寒そうな白い顔だ…。               だけどこの皺顔グレー頭、私の事を、付け回していたストーカー女だなんてもし言ったんなら、鏡で顔をよく見てほしい。     何処の世界にその顔の自分を追い回す女がいる?!普通はだ。            ド貧乏な国に生まれてもいない女が。   唯たまたまかち会ったら、コソコソ逃げるみたいな、情けない態度をするから、面白半分に途中からしばらく同じ方向に行っただけだ。                  あれはもしかしたら、ストーカーから逃れたいから裏の出口から出してくれだなんて頼んで、ああして階段を上がって、行って向かい側から出たのかもしれない?!馬鹿らしいアイディアが浮かんだが本当だったりして??笑                   よく分からないが、何度も振り返っている時には、一人の時には、凄く情けなくて冴えない男に見えた。あのコソコソした"グレー頭"が。                  続く… 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る