第26話

昨日、又酒を飲んだ。で、夕方になり、中型犬を散歩して、いつもよく通るルートを歩いた。そして、そのバス停の前を通った。  すると、5人位の男達が前から来て、バス停に並んだ。               皆、中年の男達で、警察署の男達だ。ブサメンタヌキもいた。若い男も中に一人だけいた。この男はマスクをしていたからよく分からないが、ニトヘンにも何となく似ていた。そうかもしれない。           いや、ニトヘンならもっと大きな顔をしていただろう。輪郭は、特徴的な逆二等辺三角形だし。                 で、この男がマスク越しに笑った。私と顔が会ったら笑った。一瞬だが。何故か、マスクをしていても、目が笑ったからか、笑った事は分かった。              他の男達は見ない様にして、無視していた。これは、中年や老年はできる。だが、若いと、難しいみたいだ。          できる男はできるのだが、できない男は駄目だ。若いと、それを我慢ができないだとか、しない。又は、無神経だから。それが若さなのかもだが。              まぁ、日本人は基本、よく他人や、他人の動物をジロジロと見る国民だから、余計仕方ないのかもしれない…。          で、普段ならそのままそこを通り過ぎる。フン!、って感じで。只、昨日は酒が結構入っていた。(その後、スーパーで又ワインを買っているが!笑)            だから、すれ違ったが、振り返って見てみた。全員がズラッと一列に並んでじっとバスを待っている。ズラ〜っと並んでいる様が、何かお地蔵さんが並んでいるみたいだった。                  私はあの笑った男が少し尺に触った。それで、まだそんなに離れていなかったから、戻って行った。その時には犬に、100円で買った小さなオヤツの袋を持っていたし、歩きながらたまに放って与えていた。      だから、私はその袋から小さなレバー味のオヤツを、この並んでいる男達の真ん中にそれを何粒も投げながら突っ込んで行った!キャーッと叫びながら。笑          全員が驚いた。脇に退いたり、下を見ている。愛犬が嬉しそうにそれを急いで口で広い、アッと言う間に平らげていく。    男達は最初、何が起きたのかと驚いていた。だが、誰一人、何も言わす、(今度はこのマスク男も)絶対に私の顔も見なければ言葉も発しなかった。             これ、普通のサラリーマンなら誰かしらが何かコメントするかもしれない。     「エッ、何?!」だとかを、驚いて。   でなきゃ、怒って、「何やってんだよ〜!」だとかを。いや、このフレーズはどちらかと言うと職人の中年や、爺さんだろう。   だからちゃんとに、驚きながらも冷静だったから、一応警察だよね。         オジサン達、ごめんね。驚かせて。だけどあの変な若いマスク男が人の顔を見て笑うからいけないの。              今度見たら聞いてみようか?      「あの、何か?何故私の顔を見て笑われたんですか。」               「いえ、笑っていません。」、と言えばまだましな方だと思う。多分顔を背けて無視すると思う。                 そうしたら叫んでみようか?!     「何を無視してるの?分かった、あんた蛆虫だから?!この蛆虫!!」と。笑     だってウジウジした態度で、見ないで無視するんだから。              続く…

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