第19話

久々に朝、あのマンション近くの前を通ると、若い男がタバコを吸っていた。若いと言っても30代だ。             この人も恐らく警察官だろう。そんな雰囲気だし、私の顔をジッと見た。だが表情は無い。                  彼はタバコを吸ってから、署へ歩いて行くのだろう。                見た目もそんなに悪くはないし、背もそんなに小さくない。恐らく既婚者だろう。   こうした男は外国人ホステス達の結婚相手にはならない。既に結婚しているし、又彼女ができないだとか、女にモテないだとかは無いだろうから。普通に考えたらだが。    だから彼女等はこうした、タバコを吸っていた様な男を口直しにしたり、専属の相手にしたりする様だ。             普段、お金をくれる男の相手をする。   又は、モテないダサい男の相手をする。→結婚相手にする為だ。           どちらも、ルックスは良くないとか、悪いだろうの連中だ。だから、普段はのり弁ばかりを食べているから、たまには、もっと高い焼き肉弁当を食べたいし、食べる。そうした感じが、もしか分かり安いかもしれないかな?                  だが、このモテない男も、うんとみっともないだとかの変な男ではない。幾ら何でもそれじゃあ嫌だろう…。           お金をくれたり物を買ってくれる男でも、全てではない。余り酷い男だと、そのホステスにも寄るが、相手にしない様だ。     だから、うちに前に来ていた職人の男の様な、能面顔だとかの、だが体は太っていない、若い部類の男だ。(バツイチの中年、←これも割と多い、それと中には年寄りもいる。)                  仕事は、ブルーカラーが多い。そして地味で目立たないし、女慣れしていないタイプだ。そう!あの警察官の地味男さんをもっと若くした様な男達だ!!           あの地味男さんも恐らく、若い時から余りモテなかったと思う。今は、あのマンションのフィリピン人ホステスにハマっている。  ここ最近は見ないが…。         ブルも小松菜も見ないから、もしかしたら何処かへ飛ばされたのか?あれだけ入り浸っていたんだから、されてもおかしく無いだろうが。                  だが、こんな事を言うと、意外とひょっこり現れたりするものだ!なら、この発言を撤回しようかな?! 笑           そういや、近所へ買い物ヘ行くと、たまに若いフィリピン人の女の子が私をじーっと見たりする。目が合うとパッと顔をそむける。 又は、レジで前に並んでいるその子が、何かソワソワして早くに行きたい素振りだ。チラチラと振り返ってこちらを気にしたりして。買い終わると、早足で逃げる様に出て行く。                   彼女達はホステスだ。見て分かる。    今迄はそんな事は無かったが、去年の夏位からか、もう少し前からかな?       中には、睨みつけた子が一人いた。凄くきつそうな娘だったが、怒り顔が、丸で虎か何かの様だった!!             道をすれ違いながら、何か一言小声で言った子もいた。               日本語でも英語でもない。タガログ語だろう。どうせ、馬鹿だとか何かの悪口言葉だ。                  私が夕方、犬を散歩していたから、私は犬に話しかけた。これは犬の飼い主が、特に欧米だとやる。(欧米だと、日本の様に擬人化はしていないが、人間の名前を普通につけたり、人間に話しかける様に話す。)  「今、何か言ってたね?」           その子はドキッとして、チラリと私の顔を見ると、急いですぐ手前にあった牛丼屋ヘ飛び込んだ。                特に若い感じの小柄な娘で、余り綺麗ではなかった。茶色っぽい大きな太い唇と、ギラギラした、そのギョロついた大きな目が印象的だった。                彼女達は、警官達から私の事を聞いているからあんな態度を取るのだろう。私が書いた物について。               中には、読んだ子もいるかもしれない?! 親は、元は出稼ぎのホステスで、日本人と結婚して子供が出来た。その子供が、もう二十代や三十代だ。             中には、顔も日本人ぽくなく、東南アジア系や、丸でそのままフィリピン人や、タイ人の顔に見える子達も割といて。それでそうしたパブやクラブでアルバイトをする娘も多いと聞いた。言葉も、わざと下手とかブロークンな日本語を話して。           そうした子は、此処ら辺だとたまに目にする。顔は丸切りフィリピン人だし、茶色いのだが、身長は割とあったりする。店員に話しかけていて、受け答えが丸で日本人だ。  店員でもいる。男の子でもいる。そして、割と感じ良かったりする。         そしてとにかく、注意する様にでも言われたのだろう??でなければ、ああしてしない。                  只最近は、落ち着いたのか、余りこうして見たりだとか、変な態度はしなくなった。  だが、少し前には私がパートをしている店にも、何人もが客として入って来たりしていた。一人か二人が、中をプラプラしながら、たまに商品を取る。           私が何かしていると、一寸離れて横に立って商品を見る。チラッとこちらに顔を向けてから、その商品を手に取ってから去る。又戻って来て、それを戻してから立ち去る。   まぁ、本当に何かを買って帰ったりもしている様だが…。だから、買いに来ながら、私を見に来るのだろうか?私がそこに働いているのを知ったから。そんな仕草にも思えた。 最近は、この若いフィリピン人ホステス達は、めっきり来なくなってはいるが。   やはり、行くなとでも、セックス相手の若い警官やオジサン警官に言われたのかな?(周りには、他にも幾らでも似た様な店はある。だから困らないのだから。)又は、もう見たから満足したのか…?!          そういや去年の、ある土曜日の夕方に、普段よりも遅い時間に犬を散歩していたら、三十代の警官とこのホステスの一人が、手を繋ぎながら、向かい側の横断歩道に立っていたのを思い出した。             私達は互いに赤信号が変わるのを待っている。そしてこの二人はじーっと私を見つめる。(他の人間数名がいたが、誰も私を見つめてはいない。)             警官の方は普段の背広ではなく、白っぽいラフなシャツに、下はジーパンだ。着替えがホステス宅に置いてある男もいるのだ。   彼は、見られたのを気にしながら、何故今日は遅いのか、こんな時間なのかと不思議に思っている様だった。そして青に変わり、渡りながらすれ違った時には、顔を背けて見ない様にしていた。             若いホステスは、嫌な感じではないが、いつまでも見つめていた。すれ違う時にも。その様子は何故か、リードに繋がれて嬉しそうに主人の横に着いて歩く、目のパチパチした、嬉しそうなチワワの様な感じがした!!  恐らくは土曜日なのもあり、そのホステスはたまたまその日は休みで、近くの飲食店に夕飯を食べにでも行く所だったんだろう。  いつも部屋にばかりこもって、食事は中でして、セックスだけをして、そして帰る。  そのパターンじゃあ、若めの男なら飽きるのかもしれない。女もまだ若いんだから、そうかもしれない。             それにあの周りにはハンバーガーショップだとか、何だかんだの食べ物屋があるエリアだ。                  ちなみに一度、私の働いている店に来た彼女達の中の一人を、店長が気付き、ジーッと何度も見ていた。だから、多分気に入ったんだろう。(客としてその娘を知っている感じでは無かった。)              太った豚オヤジだ。顔は悪くないが、ブヨブヨした顔と体をしている。        私の事も、他のパートのオバサンに凄い勢いで注意をされてからは、仕方なく止めた行為がある。                後にも先にもこんな事をされた事がない!!正直、呆れた。しかも私が働き出してから、まだ2回目に行った時からだ。      中身は、体を触るだとかのセクハラでは無い。                  次回、この豚親父の行動について話そう! まぁ、聞けば大した事じゃあ無いと、つまらないかもしれないが。だが、普通はまずしない。ましてや、職場でだ。        続く…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る