第17話

 (スペシャル版)            完結したのだが、久々に綴ってみよう…。 そういえば地味男さんを去年の暮に見た。後もう数日で、新年になる時だった。    紺の上着の、白くて大きな神奈川県警の文字が目立った。ニトヘンも同じ物を着て、マスクをして横に立っていた。        Y-警察署から近い大手○○○の、一階のスーパーの入口の前に立ち、不審な事がないか警備していた様だ。この二人、同じ部署だったのか?だからかな!!          後から話そう。             とにかく私が前を通ると、二人が体を曲げて顔を合わせない様にしていたのが印象的だった。だから彼等の、あの上着の大きな文字さえ!!最初は見えなかった位だ。       私は、夕方の散歩時に此処の前を通る時は、たまにトイレを借りる。犬を目の前の、繋げる所に繋いで。             こんな事は皆やっている。だからその日もそうした。だがそれを見ていた地味男さんが、何か落ち着かない。やたらとこちらを気にしている。                犬が誰か側を通った人を噛まないかと心配しているのだろう。(うちの他の犬で大型犬が、小松菜を不審者として噛んだからだと、直ぐに分かった。)            だが私はそんな事は気にせずにドンドンと建物に入り、トイレへと向かった。     そして戻ると、愛犬は嬉しそうだ!いつもそうだが、私がトイレから戻ると、犬用のオヤツを幾つか与える。待っていたご褒美だが、とても喜ぶ!だから、ある時からそうしている。                  そしてそれは、ペットショップに売っている犬用の小さな袋だ。これは種類が沢山あり、値段は一つ100円だ。これを散歩用のバッグに入れてある。            だからこの日も出して与えた。地味男さんとニトヘンがジーッと真剣な目付きで見ている。                  私がマリファナでもやっているのだろうと彼等はここ最近思っているらしいから、そんな態度を取るのだろう。だから私はくるりと袋を返して正面側を見せた。        彼等は納得した様だ。だが麻薬なんかを飼い犬にやる奴がいるか?!         アメリカ本土やグアムに生活していても、普通の生活でそんな会話だとか接触は無いのだが、彼等はそんな事をを知らないから…。だから誰でも簡単に手を出すと思っているのだ。                  私は犬にこのオヤツを数個与えると、そのまま歩きながら(これもたまにするのだが)その小さな粒を何個か前方へ投げた。     すると犬は喜んで、それを急いで食べる。そうしてしばらく歩いてやる。       そして、後から話そうと言ったさっきの事柄についてだ。              それは去年のある朝、私が警察署前の横断歩道を渡るのを待っていた時に、地味男さんが近くにいた。そしてニトヘンが、右側の横断歩道を渡って来て彼の横に立ち、挨拶をした。                  地味男さんが言った。          「お前、行ったの?」          ニトヘンが照れながら、ニヤニヤしながら返事をする。               「…はい。」               地味男さんが笑った。          「そうか。俺も一昨日行ったよ。」     ニトヘンが少し驚き、嬉しそうだ。    「あっ、そうなんですか?!」      「うん…。」              地味男さんがもったいぶった様にうなずき、やはりとても嬉しそうだ。        二人は嫌らしそうな表情を浮かべて互いに顔を見ると、笑みを浮かべた。それから直ぐに真顔になり、信号が変わるのを待つ。   そして青くなると、真面目そうな顔で渡って行った。                地味男さんはその前か後にも、何度かやはり同じ箇所で私とかち合う。        一度は、私が少し後ろに立っていたら、違う年下の男が来た。ブサメンタヌキによく似た、もう少し小さくて若い男だが、やはり太っていて、同じ様な眼鏡や髪型だ。    この男に私の悪口を小声で言い始めたからこの男も同調して笑った。部下だとかの若い男に、自分から悪口を言っていた!本人がすぐ近くにいるのに。            そうして地味男さんは最後に、頭を斜め後ろに下げてから振り返ってこちらを見たから、やはり‼そうかと、確信した。(これは確か以前に書いた。)              こうして地味男さんは数回私とかちあったが、もう悔しくてたまらなかったのだ。  自分と定期的に寝ているフィリピン人ホステスや、そうしたホステスの話を「Y-警察署の助平な御仁達?!」に私が書いたからだ。だから私の事をかなり色色と言っていた。  「犬に育てられたクセによー。」、     「英語だって大した事ないらしいぜ。本当には、できないんだってよ!!」、      等などだ。               だが、人間に育てられている。犬と一緒によく留守番はさせられていたが。笑 母親が、私が生まれる前から米軍基地内に準公務員として何十年も働いていて、最後に定年退職している。                だからうちの雌犬が私をとても好きで、可愛がって優しくしてくれていた。だからそうした言い方をしても、おかしくないのだろうが。むしろその方が良いかもしれない。 (ターザンや、モーグリの様に?!どちらも子供の時には、大好きなキャラクターだった!!)                英語に関しては、ブルに、日本語の方が普通に話せると話したからか?確か小松菜の耳の治療代を半分返金してもらった時にだ。  従兄弟が警察にいるのもブルに話したからか、地味男さんはそれも知っていて、偉くも何ともないのにと言って馬鹿にしていた。別に自慢も何もしていないのだが…。    後、彼は自分の上司の事も言っていたが、流石にそれは黙っていたら良かった。    「フン、署長だってやってるのにな!!笑 そんな事も知らないでよ。」        では自分達が最初は連れて行った訳か?あれは10月か11月に聞いたのでよく覚えている。なら自分達が紹介したとしか思えない、話の流れからして。           そうなら世も末だ。皆、男の警察官はあそこの警察署に転属したくなるんじゃあ?!それが公認なら。誰でも自然にそう考えるのでは??                 外人ホステス達の店に飲みに行き、(そこまでは良いとして)、その店が借りているホステス用のマンションが近いからと、皆がそこに頻繁に泊まって、そのまま朝出勤してるだなんて。                だから地味男さんは、道でそんな事を言うもんじゃない!私が近くに立っていて、聞いてるのに。まさか聞かせたくて?!、わざとじゃないだろうが。             嘘でも本当でも、署長の事もそうだなんて言っては駄目だ。何故なら、普通は信じたくないし、違うと思うし、又思いたい。    分かる、地味男さん?!私もあの人を、あのマンション付近では見ていないしね!!

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