第11話

〈中身よりもルックス、でなくてルックスよりも中身〉→ あの若いほうではないブサメンタヌキは、実は話すと面白いのかもしれない。                  大雑把で余り細かい事は気にしない、明るい性格だから一緒に呑んでいて楽しい…。ああしたタイプでよくいたりする。だから、ルックスがあんな風でも意外とモテたりする。 もしか、あのタヌキさんもそうなのかもしれない?何か、そんなに悪くは無さそうな感じがする。                むしろ、最近よく見る、やはり(慰安?!)ピーナ宅ヘの泊まり組で、今朝もあのマンションの方からローソンのビニール袋(500mlのペットボトルが2つ程入った)、を持って歩いて来た、あの青年の方がきつくて、神経質なタイプかもしれない…。        色白で背がひょろっとした、本のパッと見だとイケメン。割と大きな、逆・二等辺三角形的な輪郭の顔をしている。        白バイ隊員なのか、制服姿でバイクに乗りながらの署への出入りを、前に何度か見た気もした。似ていたが、あれがそうなのか、どうだろう。                そう言えば、一寸変わった事とは、昨日の夕方に偶然、署長が後ろから歩いて来た。そして顔が合ったので、つい「お疲れ様です。」と言ってしまった。           そうしたら一瞬、誰だろう?、と驚かれた。だから、「署長ですよね?Y−警察署の。」、と言った。               すると、とても喜ばれて、感じ良かった!!                 でも話しかける前に、携帯を出されてチェックされていたので、待ち合わせか何かで、少しお忙しかったのかもしれないな。    勿論人に見られても、誤解を生んで、近隣の住人が不快になる様な事では無い筈だろう。ましてやあんな署の近所でなら尚更だ!  万が一、(失礼だが)相手が女性でも、(他の署員達の様に→) あの外国人ホステスの中の誰かで、その相手と会ってタクシーに乗る、何処かへ行く、なんて事は無いだろう。近くにタクシーの待機所はあるが。    只、独身も既婚者も、この警察署の多くの男達がフィリピン人ホステス宅に泊まってから出勤するのが、彼等の中でのお決まりなのだ…。                  だから、署長ももしや?と思われてしまうのだ。前に、「そんなのそうに決まってる、同じだよ!!」と断言した爺さんもいた位だから。                  確かにたまに、着飾って、店へ通う方角とは逆方向へと歩いて来るあの彼女達を、別々に数人だが、すれ違った事があるが。じゃあ、あれがそうだったの?!         (母が、世の中にまさかなんて無いよ、とよく言っていたし、海外に住むとその言葉がうんと納得できる。確かに凄くそうだ。)   でも、まさかね!             (Friday.)                       

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