第8話

よく昔から思うが、日本は、皆が凄く他人の事を見る。そうした事がとても多い。   例えば、変わった格好をしていたり、道で奇声をあげたりだとか、何か変な態度をしていたりするとジーッといつまでも見ながら歩いて行ったりする。中には、振り返りながら見たり。一人でないと、互いに何かその人物について話したり、笑ったりしながら。   他には、可愛らしい犬だとか、子犬だとか、犬を複数連れていたりだとかすると、やはりそうして見たりする。         昔、元町や伊勢佐木町を、私と母が犬を2匹散歩していて、一寸立ち止まったりしてお店のショーウインドウを見てから又歩こうとすると、いつも周りに何人がが取り囲む様にして見ていた。              可愛いだとか綺麗だとか、犬について言いながら立ってこっちを見ている。こうした事がよくあった。最初は驚いた。       ちなみに私が子供の時や若い頃にも、やはり凄かった。当時は今よりも、混血(ハーフ)の子供は余りいなかったし、横浜でも今よりはもっと珍しかったから。もう、今の時代と当時は相当違うから…。          だが、欧米では違う。アメリカやヨーロッパやカナダやオーストラリア、どこへ行ってもそこまでそんな事は無い。見てもチラッと見て、もう見ない。いつまでもしつこくは見ない。子供でもそうだ。          アメリカでも、ニューヨークなんて特にそう感じる。ジロジロ見る程興味が沸かない。 又は湧いても、見たらまずいだとか、何かあったら困る、恐い、と分かっているのかもしれない。                日本人は、(私の感想だが)、生まれて物心が着いた赤ん坊から80、90の爺さん、婆さんまでが、気になる相手にはジロジロと穴が開く程見る。産まれてから死ぬまでそうだ。見ながら通り過ぎる、突っ立って見る。   相手がどう思うかはお構いなし。又はそんな事は分からない。そんな事をしたら危険な場合もあるのに…。            学校でも、道徳の時間があってもそれは教えない。本当に不思議に思う。       そしてY−警察署の多くの男達も、私が書いた物を見てからは、朝夕に私が犬を散歩していてすれ違ったり、近くの横断歩道で向かい合って立って待っているとかでかち合うと、ジーッと見る。             すれ違いざまに顔をジーッと見る。若い男が多いが、中年もたまに見る。余りに見るから、何か相手に話しかけようかと思ったりすると、パッと顔をそむけて、まっすぐ前を見て行ってしまう。            これがかなりいっ時は多かったから、ここでそれについても書いたら、もう最近はほぼ無くなった!まず無い。          そう、余り他人の顔ばかりジーッと見るのも気持悪い。ましてや、最近では最後に見られた中年の男だが、いつまでもいつまでも見ながらすれ違った。警察署反対側の横断歩道に立ち、私が警察署前に立つ。互いに赤信号が代わるのを待っていたのだが、渡りながら、すれ違いざまに私の顔を穴が開く程見て行く。                  この男、器量が悪く、垂れた目に凄く間が抜けた顔だった。余りに見るから、こうして分かった。そしてまだ同じ見られるなら、もっと顔が良いなら、こちらとしてもそんなには気持ち悪くも無いのだが。        だがその後はもう見ないから、さんざん見たからもう良いし、満足したのだろう。笑  だが、最近はやっと(殆ど)皆が見なくなった。特にこの若い男達が。        多分気をつけてわざと見ないのだ。バスから降りて来た時に偶然かち合っても、前は顔を確認していたりしてたが、最近はわざと顔を背けたりして、見ない様にしている。   伝えて良かった。他人の顔をジロジロ見るのは良くない。              今日も夕方に、警察署の前の横断歩道で赤信号を待っていたら、若い男二人が署から出て来た。向かい側に立つ。そして私を見て、互いに軽く笑いながら何か言う。あ、いるよ!、みたいな感じだ。         こうして一瞬意識して話題にする。だがすれ違う時には、しっかりと顔を背けて見ない。絶対に目を合わせない。逆に、今までの事があるから、エッ?もう良いの、もう見ないの?!、とこっちが確認して見てみる。  だがしっかりと、ちゃんとに"見ない"で、 ワザと互いに何か雑談しながら行ってしまう。他の若い男達もそうだ。朝も夕方も。                  そう!、元に戻った様だ。元々は別に見ず、こうだった。去年の4月末迄は。     うちの大型犬がこの署の警部補を噛んでしまい、約8万円の治療代を取られて、後から半分を、署に呼ばれて返金してもらった。あの件がある迄は。(あれは、確か4/28だったかな。)                  詳しい事を省くとして、要はうちの中型犬が庭から飛び出して散歩中の小型犬に噛みつき、その主人が警察を呼んだ。      被害届を出されたので警官が多数来て、その指揮を取るこの男が来た。        そしてこの小松菜トオル警部補が、長所作成後にそれを確認するのを、見えないと言い出した。その時は夕方6時頃。薄暗かったが私は見えた。               だが見えないから室内に入れるか、駄目でも庭の中に入れる様にと執拗に迫られた為に承諾。(本人は後から恐らく、そんな事は言って無いと断言しただろう。だが、神かけて本当で、世界中のどんな神様に誓ってもそうだから仕方ない…。)            だが、酒が入っていた為にこの大型犬である番犬をバリケン(犬の入れ物)に入れていなくて、ドアを開けたら出て来てしまった。  結果この犬が出て来て、警部補が逃げ回ったので彼を追い詰めて、(威嚇のためだろう)、耳を少し噛んだ。            流血して、救急車で病院へ運ばれた。あの出来事だ。                あの件で、この警部補とそのすぐ上の警部や庶務課の人等と口を効いたりして、知ってしまった。                その後、彼等警察官が(庶務課の愛薔薇さんと、怪我をした小松菜の後釜に来た刑事の蟹以外)、署近くのワンルームマンションで、フィリピン人ホステス達の各自住む部屋に、(その店に飲みに行ってから)泊まり、朝出勤しているのを見始めた。         だが、蟹も多分同じだろう。署から夕方に出て、直ぐ横の横浜銀行でお金をおろしていたり、嫌に、(酒の飲み過ぎの様に)、腹が出て来ていたから。             陰険そうな男で、私をあの件依頼、いつも道で睨んだりとか、たまに立ち止まってまで見ていたりと、以上な程気にしていた。だが、愛薔薇さんに言うと、やっと止まった。  ホステス達のマンション近くで、最初は小松菜が週に何度も、次にはその上司のブルもそう。そしてどんどん複数と、朝に行き交う警官達を偶然見る様になる。        たまに夕方、私服で出て来たり、週末の朝に(当日休みなのか?)、そのマンション直近くのコンビニヘ、ジャージ姿等で、カップ麺だとかを大量に買い込み出て来るのも見る様になる。                 そしてこうした事について描いたら、私を嫌い、意識して、(特に若い警官が)私を見る様になった!               だが犬を散歩していて、やはり同じに犬を散歩していて会う数名の人間に、あの出来事を話した事がある。            彼等も犬の飼い主だからかもしれないが、皆、小松菜の事を非常に怒った。何故無理矢理に入って来たのに、噛まれたたからってこっちが治療費を払わなければいけないのか?!と。               確かに私も最初はそう思い、腹が立った。幾ら怪我をしても、彼の軽はずみな行動から、結果約4万円も払っている。この金額は普通の人には大きい。            だから半分返金してもらった時に、愛薔薇さんとブルに言った。これがアメリカの警察官なら、絶対にあんな事になってはいなかったと!!                 そんな風に入って来なかった筈だから。犬についてもっと注意をするから。特にああした大型の犬種には。            だから、例え日本でも、彼はもしか刑事には不向きなのでは?、と言うと、どちらも困った顔をして黙っていた。         あの時には、個人的な肉体的なストレスが溜まりまくっていたとは知る由もなくて…。だがそれでも、意志が弱くて、あんな結果になった…。                最初から蟹が来ていたらあんな事にはならず、幾ら蟹でも、恐らくはもっと普通の態度だっただろう。(だから、あれは運命のイタズラ?!)               一度、若い警官3人とすれ違った時に、一人が小声で私を地雷だと言っていたが、笑、 地雷は私だけでは無い。元の最初の地雷は、無理強いして入って来ようとした小松菜だ。そして自らがあんな事故を引き起こした。それで私は約4万円を払わなければならなくなった。                 過去に私が男に使ったお金では、最も高い金額だ。恋人だろうが元夫だろうが、ほぼ4万円だなんて他には有り得なかった!!   あぁ、参った、参った…。たまに思い出すと、悪いがあのお金が非常に惜しい気がしてしまう…。               そういやテレビのニュースやワイドショーで昨日も今日も、警察官の犯罪を語っている。妻と子供二人を殺したが、冤罪だと言っている男。もう一人は蕪城ナントカ、振り込み詐欺だか何かをした24歳。        もうすぐ12月だし、もっとそうした恐い事件が無ければ、と思う。   

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