第2話
私は焦って、バッグと自転車が無い事を告げた。するとこの刑事が言った。 「ねー、一寸聞いて。」 そして、この小さな公園の居場所を言うと、そこに脱ぎ捨てられたサンダルと自転車、その自転車のカゴにはバッグと買い物をしたビニール袋があった、と言った。そして今これらが此処にある、持って来たと。 「エッ?あるの?!」 私は思わず歓喜の声を上げた。 「うん。まずはサンダルが自分のか確認して。」 そう言って一旦、白いバンへ戻り、サンダルを持って来てから見せる。 「これ、自分の?」 「あっ、そうそう!」 ラーメンに入っている、薄っすらと茶色い卵を思い出す様なこの刑事が私にサンダルを返す。私は底のゴムが結構減った、黒っぽいサンダルを受け取る。 次にはバッグを渡してくれた。急いで中を確認する。全て、ある!!大して入っていない財布やその中のキャッシュカード等、全てだ。あぁ、良かった〜!携帯もある。 携帯に関しては、雨が降り、濡れるといけないからとバッグのジッパーを閉めたと何度か言っていた。 どうやらバッグは空いていたらしい。中に 入っていたバランスメートが、4本のうち1本が減っていたから、どうやらこれも食べたらしい。だから、ジッパーが閉まっていなかったのだ。 それから、煮卵サンor, Mr.Egg(正式名、Mr.Boiled Egg!)はワインの、殆ど空のプラスチックの容器を見せた。私がこれを飲んでいたんだろうと。
「あっ、これ飲んじゃったんだー?!」 メンチを食べる時に飲み物がなかったし、既に家を出た時にはチューハイが少し入っていたから、又その続きで飲んだのだ。 「ね〜、結構飲んだね。」 エッグ氏も笑って言った。 それから、シルバーの、どこにでもあるありふれた自転車を車から運んで庭に入れてくれた。その時、私も車の側に行き、中を覗いた。かなり若い、能面顔の巡査が一人いた。彼に軽く会釈したが、真顔でこちらの顔を見るだけで、挨拶は無かった。若いからか、無愛想なのかも。 とにかく、エッグ刑事は自転車を庭の中に担いで入れてくれた。そのまま真ん中に置いて行こうとしたが、私が一寸嫌な顔をしたのだろう、直ぐに何処に置けば良いのか聞いた。いつも置く端のスペースを指すと、そこに置いてくれた。私は御礼を言って、茶卵男子の彼は帰って行った。 Y-警察署があの公園の直ぐ近くにあって良かった!だから、元々そんな事をしたのかもだが。久々に外の公園で酒を楽しんだのだ。 だが、以後気をつけなきゃ。幸い何も無くなっていなかったが、次回こんな事があれば、今度は分からないから…。 今回は、Y-警察署が近くにあったからだし、助かったのだろう。私の、酔いながらの小細工も聞いたのかもだが…?(後、Y-警察署からの恩返しも自然にあったのかもしれない?!数多い(男の)警察官達に、憩いの場のひと時を与えるきっかけに私が恐らくなったからかも…。それはやはり、Y警察署について書いた他の話に出てくる内容だが。)
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