第78話

「みずほさん、待って下さい」

「どうしたの?」

「当ててみる」

「うん、了解」


さくらが、てんとう虫が苦手な理由を、考えてみる事にした。


「正解したら、キスしてあげるね」

「どこに?」

「ほっぺ」


一度、こういうやりとりを、女の子としてみたかった。

でも、最近の女の子は、肉食が多い。


ま、置いといて・・・


「じゃあ、答えます」

「どうぞ」


「てんとう虫のサンバが関係している」

「外れ」

まあ、これは違うだろう。


「転倒とかけてある」

「漢字で書かないとわからない事は、言わないように」

まあ、これも違うだろう。


さくらは、転ぶほどドジではない。


「泰道くん」

「何?」

「真面目に考えてる?」

「はい。とても・・・」

「どうして?」

「さくらに、失礼な事は出来ません」

「どうして?」

「怒らせたら、命がないです」

話がそれている。


「じゃあ、答えます」

「どうぞ」


僕は短期間で考え抜いた、憶測を口にした。

外れると思うが・・・


「間違って、食べてしまった後遺症」

「正解」

「えっ?」

聞えなかった。


「だから、今の君の答えが正解」

「そうなんですか?」

「まだ、小さい頃にね。家族でピクニックに行った時」

「はい」

「おむすびに、てんとう虫がついて、さくらは知らずに食べて・・・」

「はい」

「それで罪悪感を感じて、敢えて怖がるようになったの・・・」


なんとまあ・・・


「だから、この事はさくらには、触れないようにね」

「はい」

「じゃあ、正解のご褒美・・・」


抵抗する間もなく、頬にキスされた。


まあ、弟にする感じだな・・・

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