第77話

食休みを取り、水泳の特訓。


「泰道くんは、水には浮けるの?」

「水?」


やってみる。


「ハンマーでは、ないんだね」

まあ、バタ足で10メートルは泳げるから・・・

それに、海水だし・・・


「じゃあ、浮き輪で泳いでみようか・・・」


今日の講義は、終わった。

遊ばれている気がするが、まあ、楽しいから?いいか・・


広場に通りかかる。


「泰道くん」

みずほさんが、声をかけてきた。


「みずほさん、お仕事はいいんですか?」

「うん。今はわんちゃんたちの、お休み時間」

「そうなんですか?」


犬たちは、くつろいでいる。


生き生きしているな・・・

みずほさん。


「久しぶりに、話さない?」

「いいんですか?」

「うん」


ベンチにふたりで腰を下ろす。

みずほさんは、紅茶を手渡してくれた。


覚えてくれていたようだ。


「今朝の話だけどね・・・」

「さくらの嫌いな虫ですか?」

「うん。何だと思う?」

「てんとう虫ですね」

みずほさんは、驚いてた。


「どうして、わかったの?」

「さっき、見せたら取り乱していました」

みずほさんは、笑っていた。


そこまで、笑いますか・・・


「何でかわかる?」

「いえ、そこは彼女も触れられたくない事でしょうし・・・」

みずほさんは、立ち上がる。


「いいえ。知っておいてもらうわ。さくらが、てんとう虫が苦手な理由を」

「どうして?」

「これから、君がさくらと付き合う上で、必要だから」


みずほさんは、その理由を話してくれた。




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