第61話

朝は、バイキング。

好きな物を選んで、食べる。


誰が作っているのかは、もう気にしない。

美味しければいい。


さてと、今日は何を食べようか・・・


「泰道くんは、座ってて」

「えっ」

「私が取ってくるから」

「でも・・・」

「任せなさい」


言いだしたらきかないので、大人しくしてよう。


「お待たせ」

「ありがと・・・えっ?」


さくらは、ワゴンで運んできた。

これは、朝に食べる量ではない。


「さくら・・・これ・・・」

「朝はたくさん食べて、体力つける」

「しかし、朝から油ものは、胃にもたれる」

「若いんだから、気にしない」

そういう問題では・・・


「豚肉は、なかったんでは?」

「ないのは、私の厨房。ここにはあるわよ」

「豚は、飼ってるの?」

「うちの子たちは、食べたらだめだから、よそから仕入れてる」

他の動物もそうだろう・・・って、言ってたな。


「野菜は?」

「ここで、育ててる。無農薬だよ」

野菜畑もあったのか・・・


「でも、ご飯は少ないね」

「炭水化物は取り過ぎない」

「この前、食べた・・・」

「あれで、反省した」


要するに、朝からトンカツ定食と、+もろもろであり、もはや、バイキングではない。


「さくらは、食べないの?」

「もう、済ませたよ」

「そう・・・」

ニコニコしている。


「今日も、たくさん運動するんだから、栄養つけなさい」

「今日も、泳ぐの?」

「うん」


即答しないで、欲しい。


「で、それまでは?」

「そうね・・・まだ君があっていない動物たちを、紹介するわ」

「他にもいるの?」

「うん」


イワトビペンギンのQちゃんが、横に入る。


「Qちゃん、君になついてるね」

「そうかな・・・」

「うん」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る