第43話


「そうか・・・昨日、さくらから飼うように言われてたか・・・」

前に、従業員扱いでペットではないので、飼うは不適切と言っていたが・・・


まっ、いいや・・・


「Qちゃん、よろしくな・・・」

軽く頭を撫でる・・・


既になついているのか・・・


「泰道くん、ひっとして、低血圧?」

「どうして?」

「普通は、がばっと、起きるでしょ?」

「普通はね・・・」

「で、低血圧?」

「うん・・・上が100かな・・・」

「低いね」

「うん・・・」


「さくらは、朝から元気だね」

「うん。私が元気じゃないと、君を・・・」

「僕を・・・」

「ううん・・・、何でも・・・」

「そっか」


・・・・って・・・


「さくら、いつの間に?」

「今、気がついたの?さっきから、会話してたのに・・・」


まだ、夢うつつだ・・・


「ところで、泰道くん」

「何?」

「今日だけど・・・」

「今日?」

「ここの、水族館に案内するから」

「どうして?」

「見たいんでしょ?何がいるのか・・・」


一応、予想してみる。


「マンボウじゃないよね?」

「ギクッ」

「さくら・・・今、ギクッて・・・図星?」

「ピンポーン」

やはり・・・


「泰道くん、食べちゃタメだよ」

「食べない。マンボウは水っぽい」

「食べた事あるの?」

「うん」

「チャレンジャーだね」


昔、父に連れられて、相撲部屋のちゃんこ鍋で食べた。


「で、そのマンボウの餌は、どうしてるの?」

「クラゲ」

「クラゲは、可愛そうじゃないの?」

「うん」


女の子の生き物差別は、激しい・・・


「じゃあ、もう少し寝てていいよ。今日は、朝昼兼用で・・・」

「了解」

「男の子でしょ?」

「ほっとけ」

でも、嫌味はなかったな・・・


「で、お豆腐だよね?」

「うん!」

笑顔で即答されても・・・


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