第20話

「えーと。調理場は・・・」


昨日の今日で、すぐにはわからない。

困った・・・

迷子になった。


♪迷子の迷子の泰道くん、こちらの調理場どこですか?

唄ってる場合ではない・・・


「ミゃー」

ポチか・・・

何だか目線を送ってる。

ついてこいか・・・


半信半疑で後を付ける。

ところでこれは、ストーカー?には、ならないね・・・


しばらくして、調理場についた。

キッチンは、かなり近代化されている。

でも、食材はない・・・


「ミゃー」

ポチがさらに道案内をする。

するとそこには、「椎名さくら」とプレートの書かれたドアがあった。


鍵は、開いているようだ・・・


《泰道くん、買いだしは禁止。あるものだけで、作ってね》


さくらに念を押されたのを思い出す。

買いだしに行きたくても、場所がわかりません。


こちらからだめなら、向こうから来てもらおう・・・

そう思った途端・・・


《もちろん、来てもらうのも禁止だからね》

よまれていた・・・


でも、さくらは昨日は何もないと・・・

でも、用意はしてくれているのか?


でも、その期待は裏切られて。


「何にもない」


冷蔵庫と、野菜が申し訳なさそうにあるだけだった。」


もしかして、それぞれに食材置き場が提供されているのか?

そう思い、ドアの外に出て、他のドアを見たら、予感的中だった・・・


《他の子から、もらうのも禁止》

さらに、念を押されていた。


期待せずに冷蔵庫を開ける。

少しは期待したが、甘かった。

殆どなかった・・・


これで、どうしろと・・・?

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