第17話

「じゃあ、あそのこベンチで待ってて、飲み物買ってくるから」

「おかまいなく」

「いいよ。何がいい?」

「紅茶で・・・」

「OK]


みずほさんは、走って行った。

そして、紅茶とコーラをもって、戻ってきた。


「泰道くんは、紅茶好きなの?」

「はい」

「コーラは?」

「炭酸、だめなんです」

「ココアは好き?」

「無理です」

「コーヒー」

「苦手です」

「アルコール」

「未成年です」


みずほさんは、あきれていた。

まあ、慣れてるが・・・


「本題だけどね・・・」

「はい」

「犬が静養所の中にいなかったのはね?」

「はい」

みずほさんの言葉を待つ。


「犬は人になつきすぎるので、敢えておいてないんだ。普段は・・・」

「普段は?」

「うん」

みずほさんは、コーラを口に含む。


「ここの犬たちは、ひとつはセラピードック。

必要な時にだけ、会わせるようにしているの」

「もうひとつは?」

「番犬」

「番犬?」

「うん。あの子たちの事」

ドーベルマンか・・・

確かに、番犬には最適だな・・・


「さてと・・・」

みずほさんは、立ちあがる。


「泰道くん、見てて」


みずほさんは、犬笛で、ドーベルマンたちを、手足のように動かしている。

見ていて、すがすがしくなる。


少し、話をした後、その場を去った・・・


そういえば、犬の習性を思い出した。

「犬は群れる」


それも、関係しているのか?

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