第16話
「あの子たち、随分と訓練されているな」
犬を見てそう思う。
犬がいるのはわかった。
これで安心。
さあ、戻ろう。
「そこにいる人、隠れてないで出てきたら」
気がついてたか・・・
申し訳なさそうに出ていく。
「あのう、僕は昨日からお世話になっている・・・」
「ああ、あなたが会田泰道くんね。さくらから聞いているよ」
「さくらから?」
「うん。私はさくらの姉、椎名みずほ。よろしくね」
差し出された手を握る。
女性にしては、ごつごつしている。
口には出せないが・・・
「今、ごつごつしているって、思ったでしょ?」
「いえ、そんなことは・・・」
「正直にいいなさい」
「おもいました」
「ハハハ、面白い子ね」
褒めてはいないだろう・・・
「ところで、みずほさんは、やはり、調教師?」
「うん。犬を調教するのが、私の仕事なんだ」
「そうなんだ」
犬を見渡す。
「ドーベルマンしかいないね」
「うん、今日はね。他にもいろいろ調教してるんだけどね」
飼い主から、預かった犬の調教をしている仕事の方もいるが・・・
「いい、泰道くん、見てて」
犬笛?
そこまで、鍛えられているのか?
「泰道くん、犬を探してたんでしょ?」
「うん」
「教えてあげる。犬が静養所の中にいなかった理由を・・・」
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