第14話

椎名さくら

17歳の女の子。


素顔は殆どわからない。


でもそれは、彼女の事。

話したくない事もあるだろう・・・


こちらからは、訊かないでおこう。

それが吉・・・


「泰道くん、ありがとう」

「何が?」

「ううん、何でも・・・」


僕の心の内が読めたのか・・・


この話はおいておこう・・・


さてと・・・


「さくら」

「何?」

「確か、ハムスターがいるってきいたけど・・・」

「会いたい?」

「いや、いい・・・」


ハムスターは、見かけによらず以外と獰猛で、共食いもする。

自分の子供も、食べる。


なので、複数でかってはいけない・・・


「さてと、そろそろ昼飯にする?」

さくらが笑顔で答える。


「また、お手軽料理?」

「ううん。今日は私の手料理だよ」

「それは、楽しみだ」


やはり、年頃の女の子の手料理を食べるのは、男として嬉しいものだ。


「待っててね。すぐに作るから」

「すぐにか・・・」

期待はしないでおこう・・・


さくらさんについて、食堂へ向かう。


とても、楽しそうに作っている。

微笑ましい・・・


「はい、お待たせ」

さくらさんは、運んできた。


「さくら、これは何?」

「ホットケーキ」


まじまじと見る。


黒こげている。


「あのう・・・」

「栄養のために、野菜もいれておいたから、遠慮しないで食べてね・・・」

「さくらさん、料理は苦手なんじゃ・・・」

「お菓子は例外。さあ食べて・・・」


これを食べていいのか?

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