第6話
身体を流して、湯船につかる。
誰もいない。
本当に、貸し切りだ。
「まあ、のんびりできるな」
さくらは、みんなに紹介すると言っていた。
しかし、初めに部屋に案内されて時以外は、誰にも会っていない。
まあ、閉じこもっていたので、当然だが・・・
女風呂は、聞えない。
でも、中央の部屋は、音がする。
何だか、激しい。
「何がいるのか?」
まさか・・・あれってことはあるまい。
あれなら、驚く。
気になる。
さくらは、「覗くな」とは言ってない。
なら覗いてもいいってことだ。
本当にパジャマ用意してある。
ご丁寧に、下着も・・・
トランクス派なのだが、なぜ知っている?
まあいいや。
さあ、開けてみよう。
中央の部屋を・・・
そっと開けてみる。
中には、予想通りの動物がいた。
「やっぱり、カワウソだ」
最近、カワウソはペットとしても、よく飼われているらしいが・・・
ここまでするか・・・
でも、気持ちよさそうだ・・・
「泰道くん、やはり覗いたね」
さくらの声に振り向く。
顔は笑っている。
でも、眼は怒ってる・・・
「どうして、覗いたの?お姉ちゃんに教えてくれるかな?」
頬を抓られえる。
「出来ごころで・・・」
「反省してる?」
「はい」
「ごめんなさいは?」
「ごめんなさい」
僕の頬から、手をはなす。
「ウソだよ。怒ってないよ。ただ・・・」
「ただ?」
「やってみたかっただけ・・・」
あっそう・・・
「あの子も、ここの一員、カーくんっていうんだ」
「まんまだね」
「さすがに、ネタがつきて」
ネタで名前を決めないで下さい。
「じゃあ、君があの子の名前をつけて」
「僕が?」
「お願い」
手を合わされる。
いいのか?
いい加減なことで・・・
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