第8話
結果的には良いのだが、即効で断られ続け少し、いやかなり精神的にダメージを食らって凹んでいると、ちょっといい?と先程のOLのお姉さんに声を掛けられた。
次はキリッとOLさんか、と気分を変えようとしたら、彼女の隣に他に4人の女性がずらっと横並びした。迫力で思わず背中がのけぞる。
キリっとOLさんが彼女達を見、
「この人達私の後ろに並んでたの。で、皆で相談したんだけど、どうせ聞きたい事は一緒だし、急いでるから5人まとめて話したいなと思って」
とにっこり笑った。そんな5人まとめてゴレンジャーみたいな事を言われても。俺の戸惑いをよそに他の女性達もこれでもかと言うくらい口角を上げて微笑んでいる。何だろう。反論の余地はないみたいだ。美人系可愛い系清楚系、皆さんそろって感じは良いが、なぜか鼻の下を伸ばす気分になれない。女性の集団ってどうして怖く感じるんだろう。了承するほか選択肢はなく、おあいそ程度に微笑みを返した俺の顔はひきつっていた。
「じゃあ、こっちが年上だし先に自己紹介するわね。私アルファ、30代、会社員よ」とOLが切り出すと、他の女性達も次々に名乗り出した。3人はベータで20代と30代らしい。
大人の女性って絶対年齢を20代とか30代とか詳しく年齢を言わないよな。
なんだよ代って。20代でも20歳から29歳って幅がありすぎるじゃん。そう思いつつも黙っていた。多分これ聞いたらダメなやつだ。直感が危険信号を発していたからだ。リアクションもしない方が命が助かるだろうと能面の表情のまま聞いていると、最後の女性が
「私オメガ、20代、看護師です」と切り出した。
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