第25話 カレーが大好評!
――翌日。
「ただいま~。うわっ!」
会社から家に帰ると、サラがぐったりしてベッドに横になっていた。
寝ている……。
部屋を見回すと昨日買った食材がきれいになくなっていた。
そして、ローテーブルの上には、銀貨が山になっている。
と言う事は、『魔の森の定食屋さん』を開いたら、仕入れ分を完売したと言う事か。
俺はサラを起こさないように、そっと部屋を出た。
ほか弁でサラの好きなタルタル唐揚げ弁当とホイコーロー弁当を買う。
ネクターも忘れずに自販機で買おう。
家に帰るとサラは、まだ寝ていた。
「サラ。ご飯だよ。お弁当を買って来たから食べよう」
「ううん……。あ、ご主人様!」
「ただいま。お弁当を買って来たからね。サラの好きなタルタル唐揚げ弁当だよ」
「やったです!」
「ネクターもあるよ」
「大好きです!」
復活したサラと一緒にお弁当を食べる。
食べながら今日起きた事を聞くと、とんでもなく忙しかったようだ。
サラは午前中から、せっせとカレーを作ったらしい。
そして、すぐ注文が入って、あっという間に一回目のカレーが完売。
「そんなにカレーが好評なのか?」
「一人が食べていると、匂いで他の人も食べたくなるみたいです」
なるほどね~。
他人が食べていると美味しそうに見えるよな。
それから二回目のカレーを作り完売。
午後になり三回目のカレーを作り完売。
ここでカレーの材料が尽きた。
その後は、ソーセージエッグ定食を、材料が無くなるまで売りまくったそうだ。
食材が尽き、夜を待たずに閉店となった。
その割には、キッチンが綺麗に片付いている。
サラは、後片付けも頑張ったんだな。
「偉いぞ! 頑張ったんだな! サラは凄いぞ!」
「えへへ!」
頭をなでてやるとサラは嬉しそうに笑った。
しかし、サラがこんなに疲労困憊するのじゃ、『魔の森の定食屋さん』も考え物だな。
「サラ。無理に毎日やらなくても良いぞ。毎日やったら疲れるだろう?」
飲食店経営は、大変だと聞く。
サラは、仕込みから接客、片付けまで一人でやるのだ。
それに冒険者は三人から六人のパーティーだ。
複数人が一気に客として来るわけだから、サラの対応が大変だろう。
少人数の来客なら趣味的にちょこちょこと料理を出せるけれど、今日のようにカレーを作っては完売、作っては完売じゃサラの身が持たない。
何よりも、俺の夜のお相手をしてもらえないじゃないか!
それが困る!
「そうですね……。正直、今日はクタクタになりました」
「うん、うん。それなら、サラがやりたい時だけやれば良いからね」
「はい、ご主人様。あっ! ブッチギーネ様のお使いが来ました。店に来て欲しいそうです」
奴隷商人のブッチギーネ?
何だろう?
良い奴隷でも入ったのかな?
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