第一章5  『光④』

「……」


 そんな回想を終えて、改めて思う。

 今の自分は、完全なフェザーで。

 自分は今、同胞であるフェザーを籠の鳥にしようとしている。


 そこに少しの複雑な感情を抱くも、彼を野放しにしておくことはできないため、ただ一つの策を実行する。


「《天使の輪》!」


 差し出した左手。

 その合図をもとに、大気中の光の粒子が彼の体内へと集中し、光玉へと変わって彼の身体を拘束する。



 それを圧縮していくように一つにし、握る――。



「《解放(パージ)》!」


 瞬間、集めた光が弾け飛ぶように拡散する。

 キラキラと光を放つ姿は、まるで小さなビックバン。

 けれど、ロマンの欠片もない星の輝き。

 


 ――何故なら、



 そこにあったのは、残酷なものだったのだから――。



 散りばめられた光に包まれ、浄化されるように光へと変わっていく同胞の姿。

 世界は白き光に呑まれ、どの粒よりも強く輝く彼をこちらへと寄せる。


 魂と化した彼の存在。

 罪悪感を抱きながら、それをそっと抱きしめる。


 「ごめんね」と、許しを乞うように。

 心へと仕舞い込み、破られた天井から差す光を仰ぎ見る。


 途端、ドクンという心臓の高鳴りを合図に悲鳴を上げた身体からドッと疲れが溢れ出し、その場へと横たわり。



 意識は遠い彼方へと飛び立ってしまった――。


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