空っぽの冷蔵庫から取り出した

 君の気配も溶ける真夜中



 今頃は全部忘れて君だけの

 新しい時そこに幸あれ



 生きること一つ一つの何気ない

 動きも酷く緩慢な朝



 人間は所詮なりたいようにしか

 ならぬものなら僕はどうして



 もう一度やり直すことが出来たって

 同じ誤ち繰り返すだろう



 昼と夜 朝と夕暮れ逆さまに

 眠れぬ日々に出口はなくて



 いつかこの闇を抜ければその先に

 何があるのか知りたくはない



 できるなら闇に潜んでいたいだけ

 ぬくい布団にくるまれたまま



 暗闇は他人ひとの視線を阻むから

 怖いものなどない気にさせる



 カーテンの隙間を裂いて陽が射せば

 憂鬱がまた出迎える頃

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