第7話 その隙間の温度

8:00

時計を確認

8:01

息を吸う

8:02

ため息がでる

8:05

寝返りからの

8:06

ため息再び

8:08

寝返り再び

8:10

天井を見る

8:11

考える

8:15

考えるのをやめる

8:16

やめられない

8:17

うみにもそらにも

8:18

言えない

8:20

時計を確認

8:21

あと30分もしないうちに

8:22

蒼温そうまがやってくる

8:24

みんな知らない

8:25

蒼温そうまが変わった事

8:26

春休みのあの日から

8:26

いや、違う

8:27

ずっと変わっていないと

8:28

蒼真そうまは言っていた

8:29

これまでも一緒だったんだから

8:30

そのままでも良かったんじゃ

8:31

時計を確認

8:32

ベッドの上で

8:34

かいこになる

8:38

僕は変わりたくない

8:40

だけど

8:41

変わらなきゃ

8:42

秘密を守るために

8:44

秘密なんて

8:45

なんでこんな俺にしたんだ

8:46

蒼温そうまはなんで

8:47

俺を後ろめたくさせるんだ

8:51

「陸ーーーー、」

8:51

家族の声に怯える

8:51

「陸、おはよ」と扉が開く

8:51

何年目だろう

8:52

「おっ、おはよ。蒼温夏休みなったのに早いね…」

8:52

「陸、ベッドにまだいるなんて」

8:52

蒼温そうまが近づいてくる

8:53

若干、後ろに下がりつつも

8:53

うしろに壁、

8:54

前に蒼温そうま

8:54

この距離は

8:55

幼馴染みだけのもの

8:55

だったはず

8:56

今はもう

8:56

意味が変わった

8:57

現実逃避の閉じた目は

8:57

この唇の温度が

8:58

まじわらない事

8:59

け合わない事

8:59

もとめ続けない事

9:00

そう願っているはずなんだ

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