第3話 門野さん

そんなことを考えていると、3年の教材が配られて来て席が前の子が振り向く。かなり可愛いが名前は知らない。数学、理科、社会ときて国語を渡して来たときになんとか指を接触させて会話を始めようと思った。彼女が振り返った瞬間同じクラスの加瀬響の声が聞こえて来た。門野さーんと加瀬が言う。とても気持ち悪い。しかし彼女の名前が門野ということは、分かった。ちなみに加瀬響は中2では陸上部に入っているのにデブという認識で過ごしていたため俺自身からの評価は雀の涙だ。

「ねぇねぇ、昨日の僕のストーリー見た?」

どうやら加瀬はInstagramの話を門野さんとするようだ。それに対し門野さんは嬉しそうに

「あっ加瀬くん。あれ見たけどなにしてたのー?」と言う。なぜこんなキモい男と話せるんだ彼女は。「あれ実は今年2組の小嶋の自転車のサドルみんなで破いてたんだよね」と加瀬。「えっじゃあ小嶋くんどうしたの?」と笑いながら話す彼女。彼女の右手には俺の情けない接触寸前の右手がある。しかしそれに気づかないほど笑い続ける二人。そっと彼女から国語をとり少しでも気を取りたかったが、彼女は気づきもしない。率直にビッチがと思った。とまぁとりあえずこのクラスを攻略するのは櫛沢と帰る時に作戦を立てようと思った

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