おもいこみ
「ちょっと出しすぎちゃったから」
そう言って彼女は優しく僕の手を取った。
おすそわけ、そんな言葉と共にぬるりとした感覚が僕の手に指に広がる。
にこりと向けられたその笑みに可愛いな、なんて考えながら僕はありがとうを返しどんな香りがするのだろうとそっと甲に鼻を近づけた。
彼女の好きな柑橘系?それとも花の甘い香り?
そんな期待と共にすぅっと、深く息を吸い込んだその直後
「…っう」
そう思わず小さく溢れた僕の声に、彼女はえへへと無邪気に微笑む。
「お互い、風邪には気をつけようね」
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