第253話公園

 家の目の前に公園がある。さっき、食後の散歩でここに立ち寄った。緊急事態宣言のためか、子供は独りもいない。昼下がり、静寂があたりを包む。いつもは子供の声で騒々しいのだが、今日は独りもいない。それはそれで、さみしい。ペットボトルの麦茶を飲みながら空を見つめる。薄い雲が漂っている。東京都は三度目の緊急事態宣言だ。皆うんざりとしながらも、宣言の通り表に出て歩いていない。しかし緊急事態宣言の効果はあまり期待できない。なぜなら、限界一杯まで人との接触を減らしても感染者は減らなかったからだ。これ以上人との接触を減らすとなると生活そのものができなくなる。なので効果は限定的になると思われる。

 まぁ、緊急事態そのものが、人ごとのように感じられるようになってしまった。私は私の生活を淡々とするだけである。なのでこうしてポカポカ陽気の中、独り散歩をしている。

 今の季節、外に出ないともったいない気がする。陽の光をたっぷり浴びて、草木が生い茂ってきた。空気も美味しくなる季節である。もうシャツ一枚で十分だ。それでも歩くと暑くなって汗をかくくらいである。

 ゴールデンウイークは緊急事態のため、静かな休暇となることだろう。近所を散歩するには、それはそれでありがたい。

 公園を独占して、静かな休日を満喫しよう。

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