第136話喫茶店

 暇ができるとよく喫茶店で本を読む。周りのざわざわした中での読書。これがどうしたものか意外とよく集中できる。何ページかめくったところで集中力が途切れるのだが、周りの雰囲気を感じると心が温かくなり、また本の世界へと舞い戻る。

 人は完全な孤独よりも人との交わりの中で思考するほうが効率がいいようだ。その理由はたぶん、孤独の状態だと他にやることが見つかって気が散ってしまうということがあるだろう。喫茶店では、手元に必要なものしかない。なので気の散りようがないのだ。選択肢が狭められると人はその中で必死に物事を遂行しようとするらしい。

 この前は安いコーヒー一杯で、2時間粘って新聞を熟読してみた。普段読まないような記事も丹念に読み、そうとうの充実感を得た。

 新聞は自分の興味と全く関係のない記事を読むことで視野が開ける。喫茶店は私の世界観を形作るうえでの貴重な創作場だ。

 さて、今度の休日はどんな本を持参するか、それを選ぶのが楽しみである。

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