小休憩

ふぅ、一気に話したら疲れましたね。

少し休憩しましょうか。



ここまでのお話はいかがでしたか?


え、全然怖くないし、寧ろ幸せそうじゃないかって?


……そうですね、私の脚色も少々入っておりますが、厳しい環境の中、『友人』を手にした 彼女は幸せそうですね。


でも、幸せはいつまでも続くとは限りません。

幸せを知ってしまったからこそ、叩き落とされた絶望は暗く、ねっとりと濃密なのです。



さぁさぁ、ここからは起承転結の『転』。


ふふ、貴方の緊張したそのお顔、お話するのが楽しく なって参りました。


あ、灯りを探す手は止めないでくださいね。 いつまでも暗いままでは、不便でしょう?


あくまでこれは、灯り探しの間の、退屈凌ぎに聞いていただく物語なのですから。


窓から見える赤いハナミズキを見ながら、灯りを探しながら、ゆるりとお聞きく ださいな。



では、物語の続きを話しましょうか――

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