第5話 英語は魔法
「キャアー!? 助けて! 望!」
希が、さまよえる渋谷人レベル1に襲われようとしていた。希は、咄嗟に望の名前を叫んだ。
「サンダー!」
その時、望の声が聞こえる。それと同時に雷鳴が鳴り響き、雷がさまよえる渋谷人レベル1を目掛けて落ちる。
「ギャオー!?」
さまよえる渋谷人レベル1は、雷に打たれて真っ黒焦げになり、動きが止まる。
「大丈夫か!? 希!」
「望! 怖かった! 望が助けに来てくれると信じていたわよ!」
希は駆けつけてきた望を見つけると抱き着いて、安心したのか涙が零れた。
「もう大丈夫。俺が希を守るから。だから泣くなよ。」
望も希を助けることができて安堵している。
「うん。ありがとう。」
いつもは元気な希も得体のしれない化け物の危機から助けられると乙女らしくなる。
「望。」
「希。」
望と希は、目と目を見つめあい、手と手を取り合い、良い雰囲気になる。
「ガオー!!!」
その時、真っ黒焦げになった、さまよえる渋谷人レベル1が雄叫びをあげて動き出した。
「あいつ!? 雷を受けても、まだ動けるのか!?」
「お邪魔虫!?」
望たちは、さまよえる渋谷人レベル1の性能に驚く。
「あなたと雷の魔法の愛称が合っていないからです。」
「神様!?」
その時、天界にいる渋谷神から、神の声が聞こえてくる。
「俺と魔法の愛称? 神様、どういうことですか?」
「あなたは、あなただけの魔法を見つけなければいけません。」
「俺だけの魔法? う~ん、思いつかないな。」
望は、神様に自分だけの魔法を探せと言われても、簡単には思いつかなかった。
「今回は私がサービスしましょう。神の力をお見せしましょう。あなたの体を少しお借りしますよ。」
渋谷神は、望の体を借りて魔法を唱える。
「くらえ! 神の雷(いかずち)! ゴット・サンダー!」
どこからともなく激しい神々しい黄金の光が降り注ぎ、雷がさまよえる渋谷人レベル1に命中する。
「ガオー!?」
断末魔の叫び声をあげて、さまよえる渋谷人レベル1は倒された。
「すごい!? これが神様の魔法の威力なのか!?」
望は、神の雷を見て敵を一撃で倒す破壊力に驚いた。
「すご~い!? 望!? まるで魔法使いみたい!?」
希も、神様の魔法を使う望を見て驚いた。
「え!? まあな。ただ英語を言っただけだよ。」
「英語?」
「知らなかったのか? 英語は魔法の言葉なんだ。」
望の魔法使いの生活が始まる。
「望、魔法のほうき、出して。」
「無理。」
今の魔法を自由に使えない望は、魔法のほうきを出すことはできなかった。
つづく。
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