第2話異世界転生2
名 ブリュンヒーゲルス=ゼルス
年齢 生後30分
種族 ヒューマン
称号 なし
魔甲 なし
ユニークスキル
【ゲーム学習能力MAX】
【鑑定眼】レベル1
パッシブスキル
なし
アクティブスキル
なし
加護
なし
武器 なし
使い魔 なし
レベル 0
HP 5
MP 5
魔力 5
攻撃 5
命中率 5
体力 5
耐魔 5
耐攻 5
回復力 5
敏捷 5
創造 5
運 5
魔力構築 5
魔力放出 5
まあ、あまり良い値とは言えないが、 最初のステータスはこんなもんだろう。
あれなんか、凄い視界がぐらつく。
どうやら、俺は栗色の髪の美しい母さんであるアレシアの豊かな胸に抱かれ、あやしてもらっているようだ。
ベットの回りには、貴族風の身のこなしをしている世界神樹を牛耳る十魔王家のブリュンヒーゲルス王家の王族達。
すると、! 初期スキル が出現する。
視線を移すと、皆のお腹に様々な色の魔力が見えてきた。
【魔力探知】レベル1を獲得しました。
青や赤や黄色。しかし、どれも、やや黒ずんでいる。
黒ずんだ魔力の色程、醜悪な心を持っているらしい。
ずっと見ていると人間不信になりそうだ。
母と姉だけは綺麗な、優しい魔力だった。
この二人と仲良くなれそうだ。
そうだ、近親者の情報を見ておかないとなこれから寝食共にするのだから。
俺の兄であり、ブリュンヒーゲルス家長男エンリケ。
銀髪、右眼に眼帯を付けた、優しげな笑顔をしているものの、10歳ぐらいの男の子にしては大人び過ぎていて怖い。
顔は笑っているものの、左眼は笑ってはいなく、眼の奥はいつも殺意に満ちていた。
どのような人生を歩んだら、そのようになるのだろうかと不思議で仕方がない。
エンリケの赤い左眼が光る。
名 ブリュンヒーゲルス=エンリケ
年齢 10
種族 ヒューマン
魔甲 魔帝(マテルガ)
称号 マスターランク魔術師
ユニークスキル
【炎犬精霊魔術】レベルMAX
【闇魔術】レベルMAX
【闇の破軍】レベルMAX
【闇の創造主】レベルMAX
【闇の大結界】レベルMAX
パッシブスキル
【身体超強化】レベルMAX
【全属性防御超強化】レベルMAX
アクティブスキル
【闇魔術】レベルMAX
【隠蔽】レベルMAX
【魔力操作】レベルMAX
【魔力探知】レベルMAX
【属性超強化】レベルMAX
加護
なし
……
武器 闇の杖(ヤミノツエ)
使い魔 なし
レベル 700
HP 6000
MP 5000
魔力 4500
攻撃 1000
命中率 4000
体力 1000
耐魔 4000
耐攻 1000
回復力 4000
創造 5000
敏捷 1500
運 4000
魔力構築 2000
魔力放出 2000
これは、恐ろしいステータスだ。
兄には逆らわない方が身のためだ。
それから、栗色のショートカットの髪をした、母に似た優しげな長女ミルカ。
後の親戚は今後接する機会もなさそうなので良いだろう。
そして、最も闇のように黒ずんだ魔力を持った我が父、ブリュンヒーゲルス家の当主であり、ブリュンヒーゲルス王国の現皇帝ハインケスがいた。
短い銀髪、額から鼻には戦士の傷、角張った顔、厳しい黄金の眼光、銀色の逞しい口髭を生やした50代ぐらい大男。
苦手な人というより、絶対に親愛を持つことはないと確信した。
*
そして、場面は切り替わり、俺は3歳になった。
視界は太陽を浴びる広大な緑の庭だった。
白いお城があって、森があって、川があって、向日葵畑がある場所だ。
目の前には18歳ぐらいのクリーム色のロング髪を後ろで一つに結えた女英雄がいた。
この人はブリュンヒーゲルス家の雇われの家庭教師ラガゼルバード=ヒエルダ。
名門ゼールド第一英雄学院を卒業している。
絶世の美しさと無表情な紅いの両眼、英雄の佇まい。
優秀なのは認めるが、性格が真面目過ぎて偏屈だ。
「では、お三方。今日は五大属性魔術の練習を始めます」
「……」
「お三方、返事をお願いします」
「……」
「お三方、返事をお願いします」
まあ、ヒエルダ以上に俺達も偏屈だ。
隣にいるのは洒落た白金のワンピースを纏い、14歳になって更に美しくなり、すっかり栗色の髪が伸びた美少女ミルカ。長女。
名門ブリュンヒーゲルス王立中等魔術第一学院に通う才女。
とても優しく大好きお姉さんだが、嫌だと思った時は主張する性格だ。
「どうして……家でも勉強しなければならなのよ?」
「それは、家で遊んでいたら、お父さんのような立派な魔術師にはなれないからです」
「ならなくていいわ。魔術師なんてそっちのけで、政治や金のことしか頭に無いじゃない?」
「それは判断できかねます。私は、お父様からお三方に魔術練習をさせるように申し付けられています。だから、お三方には魔術練習をして頂かなくてなりません」
「私はやらないわ! もう、学校で散々勉強したのよ」
「困りました」
「はぁ……ねぇ、ヒエルダ! ちょっとはあなたが笑顔にしたら、魔術の練習だって楽しくなるし、二人もやる気出すのよ」
「こうですか?」
「全然笑ってないんだけど。もういいわ」
「では、エンリケ殿下様、五大属性魔術の練習しましょう」
「……」
「エンリケ殿下様?」
「……」
「エンリケ殿下様……?」
全く会話が噛み合わない。
エンリケは右目に眼帯を付けた少年。
ヒエルダ以上に無表情で、何を考えているか分からない。
今年で13歳。長男。
おそらく、ブリュンヒーゲルス家の次期当主になり、ブリュンヒーゲルス帝国の次期皇帝となる王子。
エンリケは困ったように俺に視線を向けた。
だが、その右の赤眼は笑ってはいなく、目の奥はやはり殺意に満ちていた。
すると、いつの間にか俺はヒエルダの柔らかい胸に引き寄せられた。
「分かりました。魔術練習をするのはゼルス様だけということで、良しとします」
いや、俺魔術練習するなんて一言も言ってないんだが。
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