第5話辛い記憶


 場面は切り替わり、一番辛い場面が蘇る。 

 俺が6歳になった時だ。

 暗い夜空の下、黄色の満月、母が何者かに誘拐された日だった。

 母を救うため、俺は戦地を抜け出し一人銀剣を持ちながら、我を忘れ闇雲に走っていた。

 すると、目の前に現れたのは母を誘拐した犯人ではなく、当時ブリュンヒーゲルス帝国に災厄を齎していた古龍神だった。

 光沢のある黒い巨大な龍。


 【黒龍】

 ランク SSS

 レベル 900

 種族 古龍神最上位種

   ユニークスキル 

   【魔力無効化】レベルEX50

   【魔術破壊】レベルEX50

   【土蜘蛛】レベルMAX

 パッシブスキル

 【身体超強化】レベルMAX【装備超強化】レベルMAX【全属性魔力超強化】レベルMAX【超加速】レベルMAX【隠蔽】レベルMAX……

    アクティブスキル

 【魔力超操作】レベルMAX【魔力察知】レベルMAX……

      加護

  【時空間の龍】

HP 8000

MP 8000

魔力    8000

 攻撃   8000

 命中率  8000

 体力   8000

 耐魔   7500

 耐攻   6500

 回復力  3500

 敏捷   2000

創造   1000

  運   1000

魔力構築 8000

魔力放出 7000


 俺の後を追い先回りして待ち構え、憤怒の鼻息を鳴らす。

 俺は怖くて、何も出来ず、震えながら、立ち止まった。

 父の厳しい統制下に置かれた俺は魔力を制限され、上手く魔力を引き出せなかった。

 そして、黒龍は鋭い鍵爪で、俺の身体を引き裂こうとする。

 俺は目を見開いたまま、死を覚悟した。

 その時、汚れた服に身を包んだ栗色髪の美しい顔の女が目の前に現れ、代わりにその鋭い爪の攻撃を全身で受けたのだ。

 血飛沫が空中に飛び、その美女は地面に倒れた。

 俺は目を疑った。

 代わりに攻撃を食らったその美女が我が母アレシアだということに。


「母さんぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 すぐさま、俺は血を流す母さんを抱き寄せた。

 母さんはうつらうつらとした栗色の両眼を向け、消え入りそうな声をする。


「ゼルス……怪我はない?」


「母さんが……母さんが……母さんが……」


「母さんは……もう駄目みたいね」


「嫌だ……嫌だ……こんなことあってはならない」


 異世界の母さんであるアレシアは異世界で孤独だった俺を愛情を持って接してくれた。

 母さんは俺を愛してくれたのだ。

 同時に、俺もいつの間にか、孤独だった心が解かれ、母であるアレシアを愛していた。

 そして、アレシアは俺の額にキスをして、こう言った。


「世界中の誰よりもあなたを愛しているわ。ゼルス……」


 そして、母は目を静かに閉じた。


「かぁぁぁぁぁぁぁさぁぁぁぁぁぁあん!!!!」


 次の瞬間、俺の側頭部に強い衝撃が降りかかり、吹っ飛ばされた。

 そこから、記憶の一部が無くなった……。

 やがて、目を覚める。


「グルァァァァァァァァ」


 母さん……はどこだ。

 黒眼から眼光を放つ黒龍は火を吹きながら、待っていた。

 なんて醜悪な顔をしているんだ。

 その顔は最も憎き、最も醜い奴はあの男に重なる。

 我が父親と名乗っているブリュンヒーゲルス=ハインケス。

 母が誘拐されたのに、救出することを断念し、そのまま見過ごし、母を殺したあいつが許せない。

 この怨みを果たすためなら、世界すら滅ぼしても構わないと決意した。

 そして、絶望と冷徹さが入り混じった顔で振り返った。


「……」


「……グァ」


 秘めたる得体の知れない恐ろしさに少したじろぐ黒龍。

 その瞬間、俺は銀色の翼を生やした龍の装甲を纏った。

 仮面を被り、翼を生やした人型の魔術師がそこにいた。

 次の瞬間、満月の浮かぶ空に、銀色の軌跡を描き、大きな黒龍の喉元に一撃で切り裂いた。


 【黒龍】を討伐しました。


 黒い血飛沫が飛び、それを全身で浴びると見る見るうちに漆黒の仮面魔術師と変貌していく。


「うわぁぁぁぁぁあぁあぁぁあぁぁ!!」

 

 強烈な激痛が全身に走る。

【ゲーム学習能力レベルMAX】スキルによる【黒龍】の読み込みをします。

【黒龍】は異世界神であるため、読み込みできずに失敗しました。

【転生】レベルMAXを発動します。


【転生】レベルMAX

 ランク 不明

 対象物や自身に指定の種族に転生さることができる。

 ちなみに、自身を転生した場合、このスキルはおろか、全ての所有スキルは消滅する。

 

【黒龍】を【黒龍神精霊】に転生しました。


【強制契約】レベルEX100を発動します。


【強制契約】レベルEX100

 ランク 不明

 あらゆる対象物と様々な形式で契約を結ぶことができる。

 ただし、対象物が死んでいるか精霊の類でなければならない。


【黒龍神精霊】と強制的に契約を結びます。

 

 名    ブリュンヒーゲルス=ゼルス

 年齢    6

 種族   ヒューマン

 称号   なし

 魔甲   なし

 

    ユニークスキル 

    【ゲーム学習能力MAX】

    【鑑定眼】レベルMAX  

【転生】レベルMAX

    【強制契約】レベルEX100

       ↓

   【ゲーム学習能力MAX】

   【鑑定眼】レベルMAX  

【転生】レベルMAX

   【強制契約】レベルEX100

   【魔力無効化】レベルEX50

   【魔術破壊】レベルEX50

   【土蜘蛛】レベルMAX

 


    パッシブスキル

  なし→【身体超強化】レベルMAX【装備超強化】レベルMAX【全属性魔力超強化】レベルMAX【超加速】レベルMAX【隠蔽】レベルMAX

    

   アクティブスキル

  なし→【魔力超操作】レベルMAX【魔力察知】レベルMAX

      加護

【銀龍神精霊】→【銀龍神精霊】【黒龍神精霊】【時空間の龍】

      

 武器   初級剣

 使い魔  なし  

 レベル  50→900

HP 50→8000

MP 50→8000

魔力    50→ 8000

 攻撃   50→ 8000

 命中率  50→ 8000

 体力   50→8000

 耐魔   50→ 7500

 耐攻   50→ 6500

 回復力  50→ 3500

 敏捷   50→ 2000

創造    50→1000

  運   50→1000

魔力構築  50→8000

魔力放出  50→7000




 

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