第18話実技練習5


 すると、二体目の白騎士が赤い光芒で睨み、強烈な右足を俺の腹に蹴りを入れる

 格闘タイプの攻撃か……。


「オオオォォォォォ!!」


「くぅ……」


 俺は左手の直剣で払う。


「オオオォォォォォ!!」


「!!」


 さらに白騎士の右足が俺の腹に。

 払う。

 だが、白騎士が盾で押し込み突撃してくる。


「オオオオオオオオ!!!」  


 近距離戦は体力の消耗は激しい。

 俺は一旦、その盾を剣突きで抑え、余分な衝撃波を利用し後退し、間合いを取る。

 その際、左手に黒銃を出現させる。

 

魔術黒銃ライフル

ランク S

 正式名称『黒龍ゲイボルグ』。

 外観は漆黒の闇で艶のある光沢。

 中型銃では最大火力、魔力を注入してからの弾の発射速度は最高速度を誇る。

 連射、強弾数の機能がある。最高峰の性能の良い銃。

 性能

 射撃反応速度+200

 高速連射+200

威力倍増+200

 拡散威力+200

 リミッター制限付き

 


【弾丸超強化】レベルEX100

 ランク S

 威力 攻撃力×100 弾丸全般能力×100

 効能  弾丸を一瞬で格段に強化する 


【全属性弾丸超強化】レベルEX100

 ランク S

威力 付与した弾丸の魔力(全属性)×100

効能 全属性の弾丸を一瞬で格段に強化する


【発射速度超強化】レベルEX100

 ランク S

 威力 射撃反応速度×100

 効能 発射の速度を一瞬で格段に強化する



 俺は間合いを取りながら旋回しながら周りを飛翔、その間で拳銃で見据える地面に、連続で弾を放つ。

 逃げるようにして飛翔。

 地面には爆弾のように突き刺さる。


「スド! ズド! ズド! ズド! ズド!」


 何度かそれを繰り返す。

 その間、攻撃しながら追いかけ続ける白騎士。

 とうとう、行き止まりの壁へと追いつめられてしまった。

 槍が真っ正面から飛んでくる。

 躱す。

 連続で頭、胴体、脚と突き刺し、右薙ぎ(右から左への水平に斬る)、左薙ぎ(左から右へ水平に斬る)と繰り出してくる。

 回避。回避。回避の連続をするしかなくて、上昇する。

 瞬間。

 白騎士がいない。

 視界から消えた白騎士。

 どこだ。

 見上げる。

 やはり、全身白鎧姿が槍の先を尖らせ降ってくる。


 【白夜叉シロヤシャ

 空中から高速で横回転しながら、凄まじき風圧を発生させ、黒煙が漂う。


「ドスン!!!!!」


 重き鉄槌。

 寸前で回避したが、地面には巨大な穴と亀裂が生じ、威力の凄まじさを物語る。

 命中すれば即死だ。

 さすが白騎士Very hardモードは強いと言ったところか。

 攻撃、敏捷は桁違い。

 すると、ガシャン、ガシャンと5連続で鎧の音がこちらに迫った。

 この状況は客観的に見ればこちらが不利か。

 周りには5体の白騎士が集まっていた。


「オオオ!!」


「オオオ!!」


「オオオ!!」


「オオオ!!」


「オオオ!!」


 誰がどう見ても絶望的な状況。

 でも、これは想定の範囲内だ。

 これは俺が意図してやったことだ。

 先程の四方八方にテキトーに地面に撃っていたと思いがちな銃捌きだったが、それは他の白騎士に俺の存在を気づかせるためだ。

 白騎士は人工知能だが、まだ人を認識するのは若干鈍い。

 破壊された、攻撃されたなどのインパクトある事象が周りで起きれば認識することができる。

 よって白騎士が近くで地面が着弾したのを認識し、敵がどこから発砲したのかを瞬時に読み取り、攻撃発生源へ向かった。

 そして、5体の白騎士が俺の元に一同に集まったというわけだ。

 なぜこの危機的状況を招いたかというと、1体1体の白騎士と戦っていては効率が悪いし、体力や魔力や魔戦消耗がより削られる。

 現状、【MP消費無限】は制限で発動はできない。

 5体の白騎士が一斉に盾を胴体にしっかりとガードし、槍を空高く上げ、雄叫びをあげる。


「オオオオオオ!!!」


 5体の白騎士は一斉に俺目掛けて、槍を突き出し、全速力で襲いかかる。

 やるしかない。

 破壊はしない。

 最悪の場合は致し方がないが。

 一応白騎士は国の財産であり、この学校の所有物だ。

 目的は動きを止める。

 自動的に脳内で魔力(脳内イメージ)と体内で氷属性の粒子、地属性の粒子を同時に構築され、魔力が完成し、瞬時に手足に送り、放出する。

 

 5体の白騎士の動きが止まる。

 足下には氷の塊が次第に身体近くまで登ってくる。

 無尽蔵に氷は俺の全身から放出される。


「ピキピキピキピキピキ!!!」


 抗おうとする5体の白騎士。

 槍や盾を振り回すが意味を為さない。


絶対零度アイスノン】MAX

 ランク A

 威力 氷属性魔力+300

 効能 

 水を限り無く低温にし、凍らせた。

 凍らせるには質の高い魔力が必要。

 あらゆる物を凍りつかせることができ、またその対象物を凍死させることができる。

 

 

 さらに左手な刀を左手に形態変化。

 その左手を地面に触れ、地面からの土が無数の両手のような形を成し、それぞれの槍や盾を抑え込む。


「ドドドドドドド!!!」


 しっかりと両手で丸めるように掴む。


 【土蜘蛛ツチグモ】レベルEX100

 ランク A

 威力 土属性魔力+100 捕獲力+600

 効能 無数の土の手や足を成し、対象物を抑え込む。攻撃、捕らえる、防御、万能型魔術。

 


 完全に5体の白騎士の動きを封じると、赤い光が消えていく。

 抗おうとする動作も次第に弱くなっていき、完全に停止した。


HP 0/2000↓ MP0/ 200 ↓

HP 0/2000↓ MP0/ 200 ↓

HP 0/2000↓ MP0/ 200 ↓

HP 0/2000↓ MP0/ 200 ↓

  HP 0/2000↓ MP0/ 200 ↓



 闘技場に沈黙が訪れる。

 周囲を確認すると、フレスの背中はどうやらレンという男子生徒が薬草か何かで治しているようだ。



 魔術闘技場観客席。

 ボサボサの金髪を掻きながら、

 トーマス=ゼルフォードという生徒が白騎士6体を一気に抑え込んだ光景を見ていたイルガは眉をひそめる。


「あいつは要注意だな……」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る