第17話実技練習4

「まず、フレス……あなたが先よ。難易度はノーマルで良いわ」

 

「うん」


 フレスがあらかじめ纏っていたのは白金色の魔甲。

 その瞬間、クロテアが不敵な笑みを浮かべ、立ち去って行った。


「お前……」


帝天使フェルゼス

ランク S

 新型スカーレット製。

 白金の天使をイメージした魔甲。

 多様な銃、剣、回復を兼ね備えたフルスペック。

 連射、高速連射、多種類弾、豊富な弾丸を備える。

 性能

 連射速度+100

高速連射+100

威力倍増+100

拡散弾+100

 敏捷力+150

魔術構築力+200

 魔術放出力+200


 フレスは両手に銃を出現させる。


「ノーマルモード」


「シウス=フレス対象者確認」

     白騎士

戦闘レベル150 レベル100 HP1000/1000 MP100/ 100 攻撃力300


戦闘レベル200 HP400/400 MP300/300


 その時、白騎士の様子に異変が。

 ギガギガギガギガガと奇怪な音と雷がバチバチと鳴り始める。

 どうやら他の5体も同様だ。

 他の生徒から悲鳴が、砂煙が辺りで舞い上がる。


「逃げろ!!!」


 白騎士が理由は分からないが手当たり次第に生徒に危害を加えようと暴走し始めている。

 急いで俺達は逃げようとする。

 

 その瞬間、白騎士は、


「緊急事態発生。対象者シウス=フレス、対象者の地位をテロ侵入者に変更します。難易度hardに変更」


 フレスは突然の出来事に不意を付かれ、目を見開いたまま固まる。

 その瞬間、白騎士はフレスに直撃し、壁に物凄いスピードで打ちつけられた。


「ドンッ!」という音がする。


 一斉に俺達は硬直し、立ち止まる。

 砂煙が壁の辺りに舞い、消え、地面には突っ伏した状態のフレスがいた。

 凶器の白騎士が赤いセンサーを放ち、槍を片手に立ち尽くしている。


「フレス!!」


「大丈夫……だから……」


 大丈夫だとは言えない。

 必死で立ち上がろうとしているが背中の痛みで起き上がることができないのだ。

 腕や脚は掠り傷程度で済んでいるようだが、吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた時に背中を強く打ったようだ。

 早くこの場から逃げなければならない。


「助けなければ」


「俺も行くぞ」


「ガロロは先生を呼んできてくれ」


「……なんだって、こんな時にかよ?」


「時間がない」


「ああ……まあ、そうだな。行ってくる」


「頼んだぞガロロ」


 そして、ガロロは観客席へと悠々とジャンプする。

 さすが、身体強化された脚力だ。

 脇にはドワーフの少年ウディが険しい表情をしていた。


「ウディ、誰もこっちに近づけさせないようにしてくれ!」


「分かった……まさか、hardモードになった白騎士を一人で相手にする気か?」


「いいから、この場から離れろ」


 その時、槍を振り回して、空高く上げ、槍先から魔力放出した白騎士が迫ってくる。

 質の高い魔力、深海の青き光芒が煌めいている。

 大規模な強風が渦を巻く。青い無属性の魔力の渦がこの風を起こしている。

 通常の風属性の竜巻も、凄いが、こちらも負けず劣らないだろう。


槍疾風怒濤ヤリシップウドトウ

 レベル MAX

ランク A

 威力 攻撃力+100

効能 槍の乱舞攻撃。竜巻と称される。



 無情にも白騎士は猛スピードの速さで、槍で美少女に襲いかかる。

 格段にスピードが上がった。

 ズダズダズダズタと恐ろしいくらいに地面を抉る。

 フレスに防御できる間などない。

 無理だ。

 あの攻撃を食らったら重傷あるいは死傷だ。


【形態変化】

 魔甲の第2形態。

 飛行が可能となる翼や、暗視や索敵眼など付与した仮面、武器の増強、盾など色々。


 俺は即座に銀色の魔甲を形態変化させ、銀翼を羽織った仮面の魔術師が姿を現す。

 銀色の龍の仮面を被り、光沢のある銀色の全身、背後には銀翼が大きく纏っている。

 足は若干浮かび、両足は一本の棒のように纏められていている。

 魔甲からメラメラと漏れ出る青き魔力。

 高潔な佇まいの表面に秘められた狂気が滲み出ている。


銀翼シルバディウス

ランク不明

 最新型ブリュンヒーゲルス製。

 非販売品。特殊専用型。

 オーダーメイド。天才魔甲鍛冶師ログレルが作製した。

 両黒銀翼が装備されている事で陸上空中で圧倒的高速化移動が可能。

 左右旋回、急旋回の柔軟性が最高峰を誇る。

 それだけではない、両手に直剣を装備でき、さらに銃も備えられている。

 ハイスペックな全身と強力な剣銃を使用できる最高傑作魔甲。

 性能

 剣劇反応速度+50(初期直剣の効果)

 飛行速度+300

 敏捷力+200

 防御力+200

全属耐性+500

魔術構築力+200

 魔術放出力+200



 体内で魔力を構築し、その魔力を剣に送る。

 それは0.01秒コンマで魔力の構築注入を行う。

 既に俺の戦闘機態勢が完了し、正面にいる白騎士を見据える。


【身体超強化】レベルEX100

ランク S

威力  防御力×100 魔耐力×100

効能 全身を一瞬で鋼の肉体へ変貌させる。

   魔甲無しでも戦える。 


【装備超強化】レベルEX100

 ランク S

威力 武器ステータス強化×100 魔甲ステータス強化×100

 効能 魔甲(防具)、武器の性能を最大まで引き上げる。


【全属性魔力超強化】レベルEX100

 ランク S

 威力 全属性魔力×100

 効能 全属性の魔力を一瞬で強化、持続時間は一時間。


【全属性耐力超強化】レベルEX100

 ランク S

 威力 全属性耐力×100

効能 全属性魔力の耐久力が一瞬で強化、持続時間は一時間。


【超加速】レベルEX100

ランク S

威力 敏捷力×100

 効能 速さが格段に上がる。


【魔術超構築力】レベルEX100

 ランク S

 威力 魔術超構築力×100

 効能 体内での魔術構築力を最大限まで引き上げ、1秒かからない時間で魔術構築が可能。


【魔術超放出力】レベルEX100

 ランク S

威力 魔術超放出力×100

 効能 体内での魔術放出力を最大限まで引き上げ、1秒かからない時間で魔術構築が可能。


【超回避】レベルEX100

 ランク S

 威力 敏捷力×100

 効能  気配察知、隠蔽などのスキルが格段に向上する。


  トーマス=ゼルフォード

戦闘レベル150 HP2000/400↑MP1000/300↑


 瞬時に白騎士の元へ、連続で刺してくる槍を軽々かわし、左手の剣を下から勢い良く白騎士の顎へ突き上げる。


「ガガガガガガ!!!!! ガン!!!!」


 金属を金槌で殴る音が鳴り響く。

 鎧は予想外に硬い、だが、剣が勝る。


 白騎士は空高く打ち上がり、「ドガガガガガ!!!!」と地面に叩きつけられる。


 爆発が鳴りと煙幕が舞い踊る。

 白騎士の下顎は酷く凹み、赤色の眼光が次第に消えていき、全身をガシャガシャとじだばだする。


「ビューイン」と機械音が悲しく鳴り、動かくなった。

 既に機体の全部位は大破している。


HP 0/2000↓ MP0/ 200 ↓ 


だが、まだ暴走した白騎士はいる。

 しかも、難易度はVery hardの強さに跳ね上がっている。


 

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