第14話人間

帰って来たゼアークは、今後どうしていくのかを考え始めた。


(とりあえず、モンスターの容量問題に関しては大丈夫だ。

それに、あっちのダンジョンが強化されれば、実質このダンジョンの戦力が上がることになる。

まぁ、これからも、ダンジョン用のモンスターを生成することは決まっているし、今回のようなことを防ぐために、そろそろもっと質の良いモンスターを作っていくか。)


質の良いモンスターに関しては、質の悪いモンスターよりも、作るのが時間がかかってしまう。


しかし、今回、最上級ランクモンスターを作ってみて、そこまで時間がかからないことが分かったので、これからは、もっと質の良いモンスターを作っていくことにした。


しかし、その前に、やることがあった。


(強いモンスターも作りたいけど、まずは、低ランクモンスターだな。)


それは、数の問題だった。


このダンジョンは、地上に近いほど、ランクの低いモンスターがいる。


最近では、このダンジョンでいう、中盤に出てくるようなモンスターばっかり作っていたので、ダンジョン内での、モンスターのバランスが崩れてしまったのだ。


(今の状態では、侵入者に対して、中盤までは、どうぞ入ってきてください状態になっている。

序盤のモンスターに関しても、人数だけは増やしておこう。)


そういうことで、序盤に出てくるような、スライムやゴブリンの制作に移った。


しかし、低ランクモンスターの制作には時間がかからない。


そして、ゼアークはこの世界に来て、ゲームの世界よりも、早くモンスターを作ることができるようになっている。


つまり、数をそろえるのが、すぐにできてしまったのだ。


(これくらいいればいいだろう。)


そう考えていた時、ちょうどよく、あるものが来てくれた。


「失礼しますゼアーク様。」


「いいよ。」


「ありがとうございます。

このダンジョンに向かっている人間の集団が見つかりました。」


「そうか…それで、その者たちは、武装しているのか?」


「ええ、最初は、自衛用の装備化と思いましたが、この周辺には、そこまで強力なモンスターは出ません。

しかし、その者たちの装備に関しては、それなりに、戦うための装備になっています。」


「それじゃあ、このダンジョンに来るかな?」


「おそらくですが…まぁ、上の町で止まるかもしれませんが。」


「まぁ、もしかすると、このダンジョンの最初の客かもしれない。盛大に祝ってやれ。」


この世界に来てからわかったのだが、ダンジョン内のモンスターに関しては、なぜか、ゲームの時の記憶が、あいまいになっている。


つまり、彼らにとって、今回の人間に関しては、初めての客なのだ。


しかし、彼らは過去に大量に人間を殺してきている。


つまり忘れていても、本能が人間は弱い種族と記憶しているのだ。


「わかりました。このダンジョンは必ず、我々の手で守って見せます。」


そう言って、幹部の者はゼアークの部屋から、出ていったのだった。


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