第12話スーパーエリート

その後、時間をかけて、だんだんと吸血鬼が出来上がってきた。


「自分が何のために生まれたのかわかっているか?」


「わかっております。

このダンジョン内で過剰に発生してしまった、モンスターたちを、ゼアーク様が新しく作られるダンジョンのマスターとなり、そのダンジョン内の管理、および運営を行っていけばいいのですね?」


「ああ、そうだ。」


「それでは、私は、ゼアーク様がダンジョンを作り次第、そのダンジョンに移りましょう。

それと、質問があるのですが、良いですか?」


「ああ、いいぞ。」


「このダンジョンに関しては、あまり外界に関しての進攻を行っていませんが、私の方のダンジョンでは、行ってもよいでしょうか?」


「別にいいが…ダンジョンが近いから、意味なくないか?」


「なぜダンジョンを近くに作るのですか?」


もともと、ダンジョン内のモンスターを送るのだから、近いほうがいいだろうと思っていたゼアークだが、認識違いがあったようだ。


「だって、モンスターを送るのだから、近いほうがいいだろう?」


「そんなことありませんよ。

普通のダンジョンから、ダンジョンへの移動でしたら、確かに近いほうがいいでしょうが、今回は、ゼアーク様が作る2つ目のダンジョン。

ですので、管理権の大本は、ゼアーク様にありますので、ダンジョン同士の移動を、何のコストも使わずにできるのですよ。」


今までは、ゲームで2つ以上のダンジョンを作れる人がいなかったので、わかっていなかったことだが、ダンジョン内のモンスターの移動方法を、自分が管理しているダンジョンならば、ダンジョン内と一緒のように使えるらしい。


「そうか…それじゃあ、ダンジョンは少し遠くに作ろう。」


「それでは、実験を試していいですか?」


アインは、新しく作った吸血鬼にそう言われたので、簡単に許可を出した。


「いいよ。」


「それでは…」


そう言って、吸血鬼が作り出したのは、大量の蝙蝠だった。


「これは、魔力によって作られた蝙蝠です。

魔力によって作っているので、昼でも行動できるのですが、この蝙蝠には、ある命令を出しています。

それは、このダンジョンの外で、ダンジョンを作るのにいい立地を探すこと、そして、その場所に自信を犠牲にすることによって、しるしを作ることです。

ちなみに、この蝙蝠たちに関しては、知識を高めているので、それなりにいい立地を探してきてくれることでしょう。」 


そして、蝙蝠たちはダンジョンの外に出ていった。


「それでは、私たちは彼らが返ってくるまで待っておきましょう。」


この吸血鬼に関しては、忠誠心はあるが、なぜか負けた感を感じてしまったゼアークであった。

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