幼少期編7
まず彼は、先に述べておくが、国鉄車輌区の仕事には制服が寄与される。制服があるのだが特に彼を制することはできなかった。彼は彼の服装であったのだが、その彼の持っていた個性が一般に受け入れられるものであればよかったのであるが、極一部の人々には良しとされるのかもしれない。いわゆる、まさに極道である。極道に失礼かもしれない。チンピラという存在が一番近いのか。Vシネで一番最初に死ぬ輩だな。それも当時のだから、たまらん。上から行こうか。
髪の毛はほぼ丸刈りに近い角刈り、目尻がネジ上がったサングラス、タバコはキセルに刺して、趣味が良すぎるのか総柄もののシャツを着てその腹にはラメ入りの腹巻、ズボンだけは危険からだからか制服、そして規定の安全長靴を着用。
これが彼の普段着だ。この格好で当社する。特にラメ入りの腹巻はお気に入りだったらしく、私の幼い頃の記憶でも数枚ストックしてあった。
遊びに行く時は、それに輪をかけてひどくなる。上半身は同じであるが、下半身も同調していく。当時の流行のバミューダパンツか真っ白のスラックス。足元はバミューダの時は下駄、スラックスの時はエナメルの先の尖った靴であった。思い出せば、私は靴を磨くのが好きでよく父の靴を磨いていた。似たような靴がたくさん並ばせて、光具合を楽しんでいた。にしてもあんだけの靴の数、必要だったのだろうか。
父母に関しての下知識は、まあこのくらいでいいかな。
私が私になった所以はだいたい想像ができるくらいにはなったであろう。
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