4日目
「が、ガチャ様、わたくしは、も、もう限界です。た、食べ物を……」
リリアは目に見えてげっそりとやせ細り、膝から崩れ落ちて俺に縋り付く。
「燃費悪すぎない!? 馬肉一番食べてたよね!? たった一日でやせ過ぎだろ! いや俺も空腹だけど、そこまでやつれないからね!? 従者君もまだ結構元気だし!!」
「ヒヒーン」
「お前は人間としての尊厳を持て!!」
本当にリリアは同じ人間なんだろうか。暴食のモンスターとかなんじゃないのか?
「うーん、食べ物……」
たしかに、これだけ荒野ばかりでは食べ物もまともに手に入らない。俺も初日の夜に馬肉食べて以来、何も口にしていない。
「食べ物食べ物、食べ物を何とかできる勇者出てこい!!」
俺は念じながらレバーを回す。
ガチャ
そして光の中から姿を現す青……。
「青い……、タヌキ?」
「僕はタヌキじゃ──」
「どくさいス○ッチ!!」
送還ボタンに連動し、青いソレは光の中に消えていった。
「確かに食糧問題も何とかできそうだけれども! というか、全てを解決してくれそうな気すらもするけども!!」
グルメなテーブルクロス的なアレとか、まぁ、いろいろと……。
「あれは硬そうでしたわ……」
「……」
もうコメントはしないぞ。
「食べ物、食べ物かぁ……」
食べ物を何とかできる勇者?と願って出てきたのが先ほどのアレ。
「もういっそ、そのもの食べ物とか……」
コインを投入し、レバーを回す。
ガチャ
カプセルから溢れる光には、再び大きな頭部をした何者かの影。
「あぁ、嫌な予感しかしない……」
光の中から現れたのは、愛と勇気だけが友達の彼?だった。
「うきゃきゃきゃきゃきゃ!!」
リリアは奇声を発し、手足を使った四足で、まるで獣のような俊敏さをもって"彼?"に襲い掛かる!
「バイバイキン!!」
ギリギリで俺の送還ボタンが間に合い、アンパンな彼?は光に消えていった。
「キィィィィィィ!!、耐えがたいほどの良い香りでしたのにぃィィィィィ!!」
リリアは歯ぎしりをしつつ、地団駄を踏む。この人キャラ崩壊してない? いや元からこんな感じか……。
「いや、確かに"お腹減った"っていえば、"僕の顔を食べなよ"って言ってくれそうだけども! だけども、この世界では無理!!」
【世界のモンスター率99.99999%】
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