13日目
このガチャには、"オカマ専用"疑惑が発生している。いや、強いんだけどね? 順調に異形率下がってるんだけどね? こう、メンタル的なナニカがゴリゴリと削られていくんですよ、はい。
「贅沢は言わない、オカマ以外でお願いします」
俺はスタミナコインを両手で握り、その上腕二頭筋に祈りをささげる。お願いマッスル!!
ガチャ
魔法陣が光を放ち、何者かがその中に呼び出される……。
俺の願いが通じたのか、光が晴れたその場には、16、17歳くらいの男が立っていた。カッターシャツに黒いズボン。たぶん学生服の夏服かな……。なんか懐かしい気持ちになる。
今回はマリアも逃げてない。
「えっと、俺は
「ステータス」
俺の自己紹介を遮り、彼は「ステータス」とか言っている。え、それでステータス画面出たりするの? そんな情報聞いてないよ!?
「す、ステータス?」
俺も真似して呟いてみた……。はい、何も出ません。予想してたけどね! 念のために言ってみただけだからね! 実際何もないと思ってたよ! だからマリア! 半笑いでこっち見んな!!
「ふん、神様もなかなか粋なことをしてくれるな……」
なんだろう、こっちを無視して何か呟いてる。え、神様から何か貰えたりするの? そういう世界観だったの!? 俺神様に遭遇してないけど!?
「いくら成長チートがあるとはいえ、最初は無能力、まずはどこから振るべきか……、手堅く攻撃系? いや、安全を考えて回復?」
こっちを完全に無視して勝手に一人の世界に没頭してる……。これ、俺、どうしたらいいのかしらん。
「そうだな、初期ポイントで攻撃と回復、その後は戦闘の状況に応じてスキルを取得していくか…………、くっ」
何かに納得し、しばらく無言だと思ったら急に地面に膝をついた。
「だ、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ……」
一応声をかけてみたら、今度はちゃんと返事してくれた。よかった、ちゃんと言葉は通じてた。
「召喚酔いに、いきなり複数スキルを取得した反動だ。すまないが少し休める場所は無いか……?」
「え、あ……」
彼はどうやらお疲れのようで、休憩をご所望らしい。俺はどうしたものかとマリアを見る。彼女も少々怪訝な表情をしつつも頷き、
「はい、ではこちらへどうぞ」
「ああ、すまない」
彼は片手で軽く頭を押さえたまま、マリアに付いて城内へと消えていった。
彼はその日は城内に宿泊し、翌朝の朝食後に自動送還された。
え、何しに来たの?
【世界の異形率90.0%】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます