病幻影(やまいげんえい)
雨の音を聞きながら
横になって天井を見つめているうちに
うつらうつらと意識は混濁して
極彩色の夢を見る
現実と夢の境目がぐにゃりと歪んで
寝汗をかいて目が覚める
人とは弱いものだ
苦しい時は周りの事などみえない
ただひたすらに
この辛さを何とかしてくれと思う
楽にしてくれと願う
すがるような思いで
震える身体を自分で抱きしめる
震えが止まらない
咳き込む喉が苦しい
この熱が下がったら
この病の幻影から抜け出せるだろうか
その頃には外の雨も止んでいるだろうか
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