クリスマス狂騒曲

いつの間にか街のクリスマスツリーは

1ヶ月も前から飾られるようになって

クリスマスよりもイブの方が

盛り上がっているみたい


どんどん気が早くなるから

肝心のクリスマスには街は

何だか草臥くたびれているようにも見える

少し息切れしながら


ホールのケーキを最後に買ったのは

いつだっただろう

キャンドルに火を灯して

ジングルベルを歌ったのは


重なったりズレたりしながら流れる

違うクリスマスソングを聴きながら

ふと考えている”あの頃”のこと

当たり前が当たり前で無くなってから


クリスマスの狂騒曲が終わる頃

静かに今年が店仕舞いを始めだして

わたしはポケットに手を突っ込みながら

小さな声でジングルベルを歌う


わたしのクリスマスを見送る為に

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