幻の手紙

書いては消して考えて

繰り返しては、やっぱり破って

出せないままに終わった手紙


あれは結局どうしただろう

破ったものの捨てきれず

何かの本に挟んだままで


出せない手紙は手紙と言えず

一文字すらも残せぬままに

白い便箋、汚しただけで


挟んだ本の題名すらも

今では思い出せなくて

行方不明の本と恋


残っているのは、ほろ苦い

失くした恋の想い出ばかり

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