傍らには銃 とある狙撃手の記録
兎坂
序章 変ええぬ過去を
第1話 Dawn 1
二年前
足元、薄く積もった雪の下に隠れた小枝を踏みつけかけ、あわてて、しかしゆっくりと足を横にずらす。ぶ厚いハイキングブーツの底から伝わる雪のほんのかすかな抵抗と、その下の険しいごつごつとした岩肌を踏みつけ、全身に括り付けられた装具で重みを増した身体を前へと進めながら、三六歳のクロード・ビショップ少佐は口元を覆うネックウォーマーを指先でずりおろし、そっと息を吐きだした。
月明かりすらない極寒の山中に吐きだされた呼気が白く凍り、薄い靄となっては消えてゆく。それを、頭にかぶったヘルメットのアームマウントに懸架した暗視装置越しにちらりと見遣ると、クロードは緑のフィルターによって濾された闇夜の山間へと視線を走らせた。
足元さえおぼつかないほどに粘度の高い、それこそ澱のような濃度の闇だが、AN/PVS-15というハイテクな“電子の濾紙”を通してみれば、その向こうのディティールは鮮明になる。
険しい地肌がむき出しになり傾斜のきつい斜面だった。木々がそこかしこに生えているが、地面からは大きな岩がせり出しているところもある。と言うよりはこの辺り一帯が岩山のようなものだ。パキスタン領内、アフガニスタン国境に近い山脈の端に位置する地域だが、高度はそこまでなく、木々の間には岩が点在し、そこに雪が積もっている。
見渡す限り、映るものと言えばそれくらいで、遠くの眺めは幹と葉が邪魔で視界が通っていない。さらに足元は不安定であり、人の頭から時には乗用車ほどの大きさまで、ありとあらゆる大きさ、種類の岩が転がり、それらを雪が判別しづらくしていた。
その雪をしっかりと踏みしめ、ハイキングブーツをくるぶしまでうずめながら足を進める。慎重に雪を見遣れば、降り積もったその白い表面に盛り上がりなどの特徴があり、その下に何かしらが隠れていることがわかる。
それを目につく限り避け、音をたてないように険しい斜面を進む。雪の上に静かに足を下ろし、ゆっくりと踏みしめてからもう片足を持ち上げる。ただそれだけの作業だ。一言も発さず足音を立てずに山の斜面を登りつづけるのは思われるよりも楽ではない。が、おおむねこういった黙々とした作業がクロードらの仕事の半分以上を占めているのも、そしてただひたすらに歩き続けることに慣れているのもまた事実だった。
彼らは米軍の特殊部隊だ。
一般の部隊にはあまりに荷が重く専門性を求められる作戦に投入される戦力として、合衆国には陸軍の第75レンジャー連隊や
クロードが指揮するのは、そういった部隊から適正ありと見込まれた隊員を引き抜き、より特化した部隊として編成された任務部隊だ。
公的に存在を肯定されていないにもかかわらずメディアに顔を出すデルタやデブグルの連中とは深度が違う。合衆国の裏側、どこまでも重くそして底のない政治的泥沼の奥深くからの声に望まれるままに生み出された部隊だった。
足元の石ころと、その脇の小枝を跨ぎ、ブーツを雪にしっかりとうずめる。その間に、一息つき終えたクロードは下ろしたばかりのネックウォーマーを右手で持ち上げ、頬と口元の髭を覆い隠しつつ、視線を周囲にゆっくりと走らせ、自分の率いる部隊の状況を見た。
静まり返った闇のそこかしこに、武装した歴戦の戦士たちの姿が見受けられる。クロードの指揮下にある第57任務部隊の作戦要員らだ。二個分隊一六名が、それぞれの担当領域を警戒しつつ、一〇メートルの距離を開けて展開している。彼らは皆、よく整備されたライフルを持ち数万ドルもする暗視装置を頭に乗せ、子供一人分はあるだろう重い装具を身に着けたまま、ただ寡黙に定められた目的に従って歩みを続けていた。
クロードは頭の中に、事前に打ち合わせた各員の配置を思い出しながら、前方を進んでいるはずのジョン・コリンズの姿を探した。無論、探したところで前衛を任された彼の背中は地形に隠れて見えはしないのだが。クロードが半ば無意識のうちにそうしたのは、自身の勘に間違いがなければ、そろそろ無線が飛んでくる頃合いだと思ったからだ。
ジョンはクロードと同じ36歳で、同じ大学を出た同期の親友だった。同じカリキュラムを受講し、同じ
『クロード、聞こえるか』
凹凸の激しい急こう配を一定のペースで慎重に上るクロードのヘッドセットから、聞きなれた思慮深い声が届く。クロードは左手でM4A1を支えたまま、右手でベストに括り付けた
「感度良好、どうした、ジョン」
『
すこしの間を置いてジョンが言った。予想通りだなと思いながら、クロードは右手の腕時計を見遣る。トリチウムライトの時針が指し示す時間は通過予定よりもやや早いが、それも織り込み済みだった。余裕を持って動いているからだ。
「こちらでも確認した。いいペースだね」
腕時計から目を離し、M4A1のストックに括り付けたGPSの座標を確認しながらクロードは言う。作戦のための行軍が始まってからかなりが立つが、AからこのD地点に至るまでの道筋は順調だった。
『ああ、まったくだ。そっちに変わったことは?』
「ないよ」クロードは周囲を見回した「疲れてるやつもいない。このまま移動を継続しよう。目標手前の
重い背嚢のおかげでストラップが食い込んでくる不快感に顔をしかめながら、よどみない口調でクロードは応えた。寒さでこわばった筋肉が背嚢の負荷に文句を言っているからと言って、隊内無線にその不満をにじませるわけにはいかない。隊の先頭を締めるジョンは一呼吸間をおいて、『オーケー、万事予定通りだな』と笑う。
『それなら、このまま前方を哨戒しつつE地点まで移動する。切るぞ』
待ち合わせの電話を終えるような気楽さで通信を終えたジョンに苦笑しながら、クロードは深呼吸して冷え切った空気を吸い込み、意識を引き締めた。いよいよD地点を通過したという事は、“目標”の位置までもうほんの数キロまで近づいていることを示すからだ。
彼らの背負っている任務は非常に重要なものだった。というよりは、彼らの下に回ってくるのは政府と参謀クラスの人間が言う『政治・軍事的に非常に重要かつ高い効果が見込める』類の仕事ばかりだ。それは彼ら第57任務部隊がそういった作戦を行うために編成された部隊だからである。
おおむねにおいて、そういった重要度の高い任務は誰それを暗殺しろだとかどこそこのこういう男をひっ捕らえてこいという内容で、今回はそのうちの後者だ。
部外秘指令第〇二三七六号。隊内での呼称はオペレーション・
むろん、従来ならばヘリなり輸送機なりで強引に国境を越えて目的地付近まで一気に行く、という選択肢も十分に取りえたし、そうであれば今頃は目標を確保し帰りのタクシーの中にいただろう。が、そうならなかったのはひとえに昨今の政治事情のせいに他ならない。
一口に言ってしまえば、アメリカ政府とパキスタン政府との間の関係の冷え込みだった。原因はおおむねアメリカ側の度重なる無断越境だ。アフガニスタン紛争が二〇〇一年に始まってこの方、アフガニスタンはヒンドゥクシュ山脈から伝って、国境を越えたパキスタンの中にまで、アメリカは幾度となくぶしつけに自分の手駒を送り込んでいる。それは兵員だけではなく無人機を含む航空機類にまでおよび、かのウサマ・ビンラディンを暗殺するために無断でSEALチームを送り込んで以来、パキスタンは国境周辺での航空監視を厳重にしつつあった。
実際、ちょっと前にくらべて無断で兵員が越境するのも、航空機でちょっかいを出すのも前のような気楽さはない。それは国境の向こうにいる相手が警戒しているとか、そういったあれこれを抜きにして、国内世論の影響もあった。特に無断越境やパキスタン内での米軍無人機の誤爆問題がマスコミにすっぱ抜かれてからは特に、世間はそういう話題に敏感だ。
だからこそ昔ながらの行軍が選ばれた。重要な仕事である以上、誰にも知られずに現地に近づかざるを得ない。パキスタン政府に知れれば邪魔が入るのは間違いないし、何よりのその途中でどこから情報が漏れるかわかったものではないからだ。パキスタンの政府組織の中には、タリバンを筆頭とするならず者の類がはびこっている。これもまた、昔からの決まりごとだった。
そういった連中にこれまでに積み上げてきたすべてをおじゃんにされないために歩く。だからこそ、重い荷物への文句も飲み込む。昔、それこそ二〇代の頃よりも食い込むストラップの痛みが重く鈍くなっているが、それもまた経験と引き換えの代価だと割り切っていた。世の中はトレードオフ、この煮え切らない鈍痛を受けいれ、代わりに目標を持ちかえる。この作戦が終れば、時期的に一度帰国の命令が下りるだろう。
『クロード、俺だ。聞こえるか』
再びヘッドセットから声が聞こえたのは、山の稜線に到達し、それに沿って身を隠しながら暫く行軍を継続してからのことだった。腕時計を見ると、時間はそろそろ予定の通過時刻に近づきつつあった。
「聞こえてる。
クロードは訊ねながらGPSを見た。位置情報は記憶の中の情報に一致している。念のため、防弾装備の胸につけたマップポーチを開き、光が漏れないようにフードをつけたペンライトでそれを照らして確認を取った。間違いなくE地点の周辺だ。
『ああ、到着した。周辺の安全は確保、異常なし。稜線の向こうも確認した』
「了解、こちらも問題ない。隊を予定通り小休止させたい、大丈夫かな」
ゆっくりと稜線の方に歩み寄りつつクロードは辺りを見回す。雪を被った背の高い藪がまばらに見かけられ、姿を隠すのは苦労しないなと思った。さらに稜線のこちら側にも向こうにも木々が生い茂っていて、最も気を使う稜線越えに関してもそれほど心配はいらないだろう。
『問題ない、幸い藪と雪とで隠れるのは楽だしな。こっちで警戒はしてあるから、さっさと“こっち側”に来て小休止にしてくれ』
隊の半分を掌握し、すでに稜線の向こうに先行して周囲を確保しているだろうジョンが言う。クロードは「わかったよ」と頷き、暗視ゴーグルで周囲を見回して、自分が直率する7人の部下に稜線を越えるように命じた。
ローレディにしたM4A1を下ろさぬまま、サプレッサの筒先を意識しながら険しい上り坂の切れ目へ目を向ける。その向こうにはすでに八名の仲間が先行してを確保しているとわかっていても、習い性というべきか、つい気が立ってしまう。人間の輪郭というのは当人が思うよりは目立つもので、稜線を越えるときというのは、自然の中にはないその輪郭がことさらに浮かんでみえる。だからこそ、本来その境目をまたぎ越えるのは神経を使うものだ。
実際、過去の作戦経験として、クロードは稜線付近での不注意や不用意な行いが招いた悲劇をいくつも目のあたりにしている。警戒を怠ったばかりに、ひょっこりと露出してしまった頭を弾き飛ばされたやつ、稜線を監視する歩哨に捕捉され滅多打ちにされた偵察チーム。
警戒を怠らぬまま藪をかき分けつつ稜線をまたぎ越える。その先には、先ほど通ってきたのと変わりばえのない木と岩とで構成された景色が広がっていて、ジョンの率いる前衛は適当な影に身を隠し、半円状に展開して周囲を警戒している。各々背負っていた背嚢は地面に下していたが、武装だけはしっかりと保持していた。さすがに経験豊富な戦闘要員だけあって、その後ろ姿にたるんだ様子はない。
「時刻予定通り。小休止だ、装備は投げ出すなよ。隠匿と警戒も継続」
それらを確認し、自分の直率する隊員らに指示を出す。七人の部下はすぐさま先に監視についていた前衛班のカバーをするように遮蔽を取り、背嚢を下ろすと銃を抱えたまま小休止に入った。彼らは各々の間に一〇メートルは距離を開け、険しい岩と藪まみれの斜面に身体を横たえるようにして休息を取りながら辺りを見回している。
「すべて順調、だな」
短銃身のHK416を肩からぶらさげ、背嚢を下ろした男がそういいながら近寄ってきた。暗視装置が下ろされているために目元は見えないが、がっしりした顎にはそれに見合う分の髭が蓄えられていて、幅の広い肩からはジョン・コリンズという男のもつ屈強さがにじみ出ている。
「今のところはね」クロードはジョンの言に肩をすくめ「あとは最後のお伺いで決まる」
「なんだ、心配か?」
ジョンが苦笑しながら訊いた。二人とも特殊作戦にそれなり以上に従事してきたからこそ分かっているが、越境を前提とした作戦がその実働部分の開始を目前に中止され、引き返さざるを得なくなるというのはままあることだからだ。ジョンの言う心配とはそのことだろう。実際に、クロードもジョンも嫌気がさすほどに何度も、そういった作戦中断命令を受けている。
「まさか」クロードは首を振って否定し、PTTの送信ボタンを押した「デイヴ、来てくれ」
じゃあなんだ、と怪訝そうに首をかしげるジョンをよそに、休息に入っていた隊員の内の一人が、サプレッサのついた長いライフルを手に歩み寄ってきた。クロードの補佐をするデヴィッド・リッグスだった。デイヴというのは仲間内での愛称だ。彼の元の所属は海軍のSEALで、クロードよりも上の四〇歳、隊内の最年長だった。もとは狙撃チームに所属していて、おおむねにおいて支援担当に収まることが多い。今回彼が手にしているのも、銃身長の長いライフルだった。
「なんてことはないさ。あれこれ考えをめぐらせるのが僕の仕事というだけで……デイヴ、無線担当を連れてきてくれ。司令部に最終指示を仰ぐ」
「相変わらずの心配性だな」
ジョンはやれやれと肩を竦める。その傍らでデイヴは「すぐに戻る」と頷くと、言われたとおり無線担当のヘンリーへの伝達のため闇の中に戻っていく。クロードはそれを確認するとその場に背嚢をおろし、肩にかかる負担を減らした。
途端に、半ば締め上げられるようにして途絶えていた血流が再開し、肩と言わず腰と言わず、負荷を受けた全身がむずがゆくなるが、それを無視してネックウォーマーを下ろす。荒い息を吐きたくなる気持ちを堪え、ゆっくりと口のはしから呼気を漏らし、若くはなくなりつつある身体の軋みと共に冷えた空気を飲み込んだ。
「指揮官の仕事は、第一に必要な手札を集めること。第二に、すべてをこなすための道筋を示すこと。そして残りは詮無い心配事だよ、ジョン」
ところでこういうことを君に言うのは何度目だっけ、と苦笑し、先ほどまで背嚢と背中の板挟みになっていたハイドレーションから延びるチューブを銜え、一口吸う。じっくりと口腔に水を馴染ませてから飲み込み、もう一口吸い込むと、じっくりと味わってから胃に流し込む。
「さあな。お袋の小言よりはよく聞いた気もするが、数えちゃいない。お前ときたらカレッジのころから似たようなお小言ばっかりだからな」
「君ときたら課題はやらないわ、講義の時間を忘れるわだから仕方がない」
「言われんでもやってたさ。お前さんがお節介焼きなだけだろうが」
どうだか、と肩を竦め、じっくりと水を味わったクロードは、木々の切れ目から雪の降り注ぐ空を見上げた。雲がぶ厚く、月明かりを完全にさえぎっている。予報ではこのまま夜明けまで一帯は雪雲におおわれたままだそうだ。か細い月光すらない闇夜の方が、自分たちにとっては有利である。少なくともこちらには暗視装置があり、敵はどれほど夜目の効く者であろうと、この天候ではろくに視界が効かないだろう。
これを逃せば、次に標的にありついたときに今ほど有利な状況は得られないだろうなとクロードは思った。攻撃的な側面が強く外征任務が主であるこの
メカニクスグローブを外し、このならず者の地での数か月の活動で伸びきった顎鬚を撫でる。クロードはアジア系のハーフだが、厳つい熊のような仲間たちに負けず劣らずの濃い顎鬚の持ち主だった。真っ黒で艶のない頭髪と違い、顎鬚には茶色や金の物が混じっている。それを指先で摘まみ、部下が無線機を担いでくるのを待った。気持ちが焦れているのが自分でもわかるほどに時計が気になるが、あいにくとまだ五分もたっていない。
しばらくして、闇の中から二人の武装した男が現れた。クロードと隣で地図を眺めていたジョンは、小さく頷いて見せたデイヴを見てから、その巨体の後ろに隠れてしまいそうなヘンリーの方へ視線をうつした。
ヘンリーは隊の中では小柄な部類だが、体つきは皆に劣らずがっしりとしており、顎鬚は薄く縮れている。我慢強く、そして無口な男だった。彼はクロードの隣まで歩み寄ってその場に膝をつくと背負っていたマンパックのPRC野外無線機をおろし、そのセットアップを始める。
「少し待ってくれ、すぐに繋ぐ」
「急がなくていいよ。焦っちゃいない」
うそこけ、とジョンがぼやく。クロードはそちらに視線を投げ、とぼけた顔で肩を竦めるジョンにため息をつくと、左手首を顔のすぐ目の前まで寄せて、暗い中に浮かぶ夜光塗料の文字盤を見て時間を確かめた。まだまだ時間に余裕はある、焦ることはない。
しばらくして、ヘンリーが無線から顔を上げ、ハンドセットをクロードに差し出した。電話の受話器に似たそれを手にし、耳に当てながらヘンリーへ目を向ける。彼はその視線の意味を過たず理解し、通話可能であることを頷いて示した。
「オウル01より、
クロードは送信ボタンを押しながらささやくように言った。すぐに送信ボタンから指を離す。数秒待ち、かすかな空電の音を聞きながら、もう一度ボタンを押し込んだ。
「オウル01より、
『こちら
送信ボタンを離すとすぐに無愛想な低い男の声。ジャララバードに設けられた仮設の司令部で、DIAやCIAの職員に囲まれ無線のまえで物調面のまま、こちら報告を待っていたのだろうイーサン・プライスの熊のような風貌を思い浮かべ、クロードは声には出さず口元に笑みを浮かべた。イーサンは第57任務部隊の司令官であり、クロードの上官でもある。六〇手前の老兵だ。
「オウル・アクチュアルは
『確認している。シェパード23が上空を通過中、そちらの周囲に不審な動きはない』
クロードはちらと空を見上げた。雲が天蓋のようにのしかかっているが、そのどこかにシェパード23の機影を探そうと思ったわけではない。この空模様で、遥か頭上のプレデターが目視できるわけもなかった。どだい、快晴であってもよほどの視力でなければ見分けのつくものではない。ましてや今は夜だ。
「了解。気象状況、付随状況に変更は」
『空模様はしばらく変わりそうにない。“アイアンホーク”も予定通り待機中、すべてつつがなく進行している。変更は一切ない、予定通りに実行しろ』
「変更なし了解」
クロードが復唱する。隣で、ジョンが拳を握って小さく頷いたのがわかった。デイヴも満足げに腕を組み、クロードに頷いて見せた。クロードはそれらに目くばせをして、声音を変えず応答した。
「これよりアクチュアルはフェイズ2に移行する。交信終わり」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます