テレパシー
まず、雑費の2万円だが、正直、すぐになくなる。
季節ごとに服は必ず必要だし、ずっと同じものを着続けるのは難しい。何故なら、着れば着るほど、服はボロくなっていく。
なので、贅沢をしないようにはしているが、それでも月に一度くらいは服屋に行き、必要最低限の服を買ったりする。
また2人でどこかに行くのも交通費だったり、食事代だったり、どこかに入るのなら入園料だってかかる。病気の時は診察料だったり、薬代だってかかる。
かと言って、休みの度に出かけないのも勿体無いし、思い出は沢山作りたい。
なので、定期券内の範囲だったり、近場のデートスポットを探したりして、なるべくお金をかけないようにしつつ、楽しんでいる。
そして、一番の問題は食費だ。これはかなり頭を悩ませる。
大体1週間で1万円ペースで買い物をすればいいのだが、これがかなりキツイ。
まとめ買いをして、なるべく不必要なものを買わないようにしているが、まぁそれでも色々と買ってしまうのが不思議なところである。これも同棲の魔力なのだろうか。
とまぁ、こんな感じで毎月色々と考えながら、やりくりをしているのだ。しかし、それが嫌とは思わない。今月もなんとか貯金に回せそうだし、やりきった時の達成感は少なからず、喜びがある。
ああ、うん、この感覚、完全に主婦だな。
やっぱり、おれは主夫の方が向いているのだろうか。遥香なら大手にも難なく就職できそうだし、養ってもらうのもアリか……?
「何考えてんの?」
と、そんなことを考えていると、いつのまにか遥香が隣に立っていた。
「いや、別に……」
「そう。でも、主夫になるのはやめてほしいわね。それじゃ、あたしお風呂入ってくるから」
そう言って、遥香は寝間着を抱えて、風呂場へと消えていった。
「なんでわかるんだよ……」
もしかして、テレパシーでも思ってるんじゃないか。遥香のことだから、あり得そうで怖い。下手なことを考えるのはなるべく控えるようにしておこう……
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