イチャイチャ

雑談をしながら、3人で教室へと入り、講義を受ける。

しかし、夏休み中、だらけっぱなしだったから、いきなりの講義はかなり堪えた。

遥香も寝そうになっていたらしく、途中、船を漕いでいるのを何度か横目で見えた。

ちなみに柳はがっつり寝ていた。寝息も少し聞こえてきたくらいだ。


「はぁ、なんとか乗り切ったな……」


昼休みとなり、食堂へと移動し、席に座ったところでため息を吐きながら、そう言う。


「そうね……この時間が永遠に来ないんじゃないかとさえ思えたわ……」


「情けないなぁ、2人とも」


おれ達を横目に柳は学食のカツカレーを頬張りながら、言ってくる。


「いや、お前はがっつり寝てただろ。隠す気ゼロだったじゃん」


「てへぺろ☆」


言いながら、舌を出す。


てへぺろっておい、死語だろ。

まぁかわいいかなって思うけど。


「……」


ああ、だめだ、遥香が軽蔑の眼差しで柳を見ている……!

今、おれがかわいいって思ってたなんて、死んでも言えない……


「そ、そんなことより、早く食べようぜ」


なんとか雰囲気を変えようと、おれは努めて明るい声を出しながら、カバンから弁当を取り出す。


「相変わらず、愛妻弁当かぁ」


「愛妻ってのは少し違うと思うけどな」


「いつのまに用意してたの?朝、一緒に起きたはずなのに……」


「昨日のうちに仕込みはしといたんだよ。で、そっちが準備してる間に弁当箱に詰めておいた」


「ほほぉ。朝、一緒に起きたかぁ……相変わらず仲良しですねぇ。で、起きてから一体何をしたんでしょうか?」


やけに目を細め、どこからかペンとメモ帳を持ち出しながら、柳がそう言ってきた。

朝からゲスだなぁ、全く……


「べ、別になんだっていいでしょ……!普通にイチャイチャしてるだけよ……!」


「っておーい……」


何を正直に言ってらっしゃるんでしょうか、この方は。

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