大学時代12 2014-02-12

 さてさて、話は大学2年生の頃に戻ります。


 夏休みも明けて冬休み前でしょうか?


 台風来るよ。一緒に見に行こうと持ちかけられた女性がいます。


 彼女の名前は18。ソバージュの茶髪のロングヘアーでギャルみたいな乗りの良い女の子でした。


 18は○○部で一緒に頑張ったメンバーであり、同じ仙台出身。


 さらにタバコを吸っていたので、喫煙所でもお決まりのメンバーでした。


 そんなんで仲良くなった18の誘いにあっけに取られ、うん、台風見に行こうとは言いませんでした。


 なぜ、18がそんなこと言い出したのかはわかりません。


 隣にいつもいる女子も、いいからね、行かなくてと笑って忠告されました。



 ですが、その夜、本当に台風が来て、18からメールが入ります。


 私は慌てて、一人にさせちゃいけないと、正義感の裏返しに淡い期待も入り交じりながら多摩川の河川敷へとビニール傘で向かいました。



 18と会って、橋の下に移動して、台風凄いねなんて言いながら暗がりの中、とりとめも無い話をしました。


 18「ねぇ?夢って見る?カラー?白黒?」


 私「あぁ、夢はごちゃごちゃしてるけどカラーで見るよ。」


 18「良かったね、カラーで夢見る人はクリエイションに向いてるんだってよ。」


 私「18はどんな夢見るの?」


 18「あたしね、毎回同じ夢を見るの。母さんが死んじゃう夢。だんだん続きが近づいてきてね。目が覚めるの。怖いんだよ。」


 私「えー、そんな夢見るの?あぁ、でも死ぬ夢ってそんな悪い夢じゃないらしいよ。」



 とかなんとか話してました。


 後ろに居るホームレスの人に気づかれないように、ヒソヒソと親密に、でも台風に煽(あお)られてる以外は至極(しごく)普通です。大学内で居る時と変わらず仲のいい友達以上の話にはなりませんでした。



 18は私が先輩の彼女を想い続けてることも知ってたし18にもずっと気になってる男性がいることも告白されました。


 お互い叶わぬ恋に身を窶(やつ)して、傷を舐め合い、18は片想いをしていると思いきや片想いをされてもいるとも言いました。



 部屋に帰ると玄関に花束が置いてあることがあるらしく、でも返事してなかったら病人になっちゃった。とあっけなく言いました。


 クルクルと楽しく話してるかと思いきや、笑えないことも淡々と話すところがありました。


 でも、全然、悪い印象じゃありませんでした。


 台風の夜、身を寄せ合って、橋の下で語り合うなんてやっぱり良い思い出です。



 帰りは嘘みたいに晴れた星空の下を、橋を渡って18の家へと送りました。


 18「私、この辺だから。」


 と、笑顔で帰る18を見送って私も家路に着きます。



 18はいい友達でした。



 それが三年生に入ってひょんなことからデートすることになります。


 それでは次に、その話をしたいと思いますね。

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