バイオミート工場見学ツアー

@dekai3

担当官:柊真奈美 事前調査による対象者数:四名

『はーい、皆さんこんにちは~!………おやおやぁ、元気が無いのかな?もう一度言いますね、こんにちは~!!はい、よくできましたこんにちは。今日のバイオミート工場見学の案内をさせて頂く広報の柊真奈美で~す。真奈美お姉さんって呼んでね☆これから社会見学に来られた皆さんにバイオミート工場の中に入って貰って色々と見て頂くんですが~、皆さんの中でどうしてこのバイオミート工場が出来たのか知ってる人居ますか~?はい手を上げて~、ん~…半分ぐらいかな?先生、授業でこの事はは……あ、ちゃんとやられてますか。じゃあ恥ずかしくて手を上げれないだけかな?じゃあ~、そこの緑の服の君!なんでだか言えるかな~?………うん、そうだね〜。牛さんや豚さんや鶏さんに嫌な思いをさせないで血が流れないお肉を作る為だね〜。よく出来ました~!ちゃんと答える事が出来たので、先生方も安心されたと思いますが〜、ここでちょっとしたクイズです!このバイオミート工場で作られたお肉と〜、牛さんや豚さんや鶏さんに嫌な思いをさせつつ血を流しながら作った物と~、食べ比べをしてみたらどっちがおいしいと思いますか~?工場で作られたバイオミートのほうがおいしいと思う人~、手を上げて~。おお!ほぼ全員じゃないですか。先生方、もしかしてですけれど……あ、やっぱりあの残虐で非道で動物の命を全く大事に思っていなかった頃の時代の屠殺の動画を見せてあるんですね。流石です!それなら納得ですよ。手を上げなかった人は恥ずかしがり屋さんだね~。次は手を上げようね~!はい!ではそろそろ工場の中で見学の準備が出来たみたいなので、皆さんは二列になってお姉さんの後に付いて来てもらいま~す!見学ルートは真っ直ぐだから迷う事は無いけれど〜、お姉さんの説明が聞こえないといけないから離れず付いて来てね~。そうそう、真っ直ぐ真っ直ぐ~。は~い、ここで一旦ストップ~!皆さんには工場に入る前に~、まずこの水道で手を洗って貰って~、帽子と~、マスクと~、エプロンを付けて貰いま~す!髪の長い子もちゃんと髪の毛が帽子の中に入る様にしてね~。折角のセットが乱れちゃうなんて子も居るかもしれないけど~、工場で作っているお肉に髪の毛が混ざってしまうと大変な事になってしまうので~ちゃんと入れてね〜。髪の毛は毎日ちゃんと洗っていても少しは汚れている物で~、その汚れが培養中のお肉に付いちゃうとお肉がダメになっちゃうんですよ~。工場の中は常に清潔にする事が必要なんですね〜。皆さんも学校で掃除の時間ってありますよね〜?……え、あ、今の学校ってロボットに掃除させるんですか。あ~、なるほど。変わりましたね……え~っと、学校じゃなくても~、自分の部屋なんかは綺麗なほうがいいですよね~?窮屈だったりカッコよくなっかったりするけど我慢して下さ~い。はいそこ~!マスクはちゃんと口に付けてね~。目に付ける物じゃないよ~。それじゃ大丈夫かな~?みんなちゃんと付けてるね~?それでは~、これからこの扉の向こうに行きま~す。この扉の向こうでお肉が培養されているんですけれど〜、始めての人はお肉の培養を見てちょっと驚いちゃうかもしれませ~ん。気分が悪くなったら直ぐに言ってね~☆また二列になって先頭から行くよ~。は~い!扉が開きま~す!ゆっくりと後に付いて来てね~!工場の中はちょっと寒いで~す!これは機械は涼しい場所のほうがよく動くからで〜、工場全体を冷やして機械の効率を良くしているんですね~。お肉の品質管理にも繋がるので一石二鳥なんですよ~。は~い、ここから冷やっとしま~す!見学ルートは後で暖かい部屋にも入るので~、ちょっとの間寒いのを我慢してね~!え~、右側通路の下にありますのがお肉の培養ポッドエリアで~す。見えるかな~?そうだね~沢山並んでるね~。この辺りは最初のほうのお肉の培養ポッドなので~、皆さんのおじいさんやおばあさんの世代の物になりま~す!新しい培養ポッドは工場の奥のほうになるので〜、皆さんの培養ポッドは見学ルートの最後のほうですね〜。そして〜、お肉の培養ポッドエリアの反対側にあるのがお肉の加工機エリアで~す!培養ポッドで成長したお肉を丁度良い大きさにしたり~、消毒や真空パックをしたりして皆さんの食卓に並ぶお肉に加工してるんですね~。今見えているのは培養ポッドから送られてきたお肉を餞別する機械で~、まだここでは加工はされていませ~ん。では~、お肉の培養ポッドやお肉の加工機を見ながらゆっくりと進みますね~!あ!手すりにはあんまりもたれかからないでね~!安全設計はしていますけど万が一下に落ちちゃったら怪我をしますし~、お肉の培養ポッドに悪い影響が出ちゃうので気をつけましょ~!もしも加工機のほうに落ちても~、皆さんがお肉には加工されたりなんかは起きませんので~、そこは安心してくださ~い!でも危ないからダメだよ~!お肉の培養ポッドエリアのほうは暫くは培養ポッドが並んでいるだけなので~、お肉び加工機のほうを順番に説明しま~す!まず先程も言いました選別する機械で~す!お肉の培養ポッドで丁度良い大きさまで育ったお肉が~、ちゃんと食用に出来るかをチェックしていま~す!培養ポッド内でもお肉に悪い菌が付いてないかや~、お肉が悪い細胞に変化してないかをチェックしていますけど~、ここでも確認をしま~す!皆さんの口に入る物なので~、チェックは何回やってもいいんですね~!そうしたら次は洗浄液でお肉を洗いま~す!洗浄液と言っても皆さんが体を洗う物の違って~、飲んじゃっても大丈夫な物で~す!お肉に使える人体に優しい洗浄液なんですね~。次はお肉を少し乾かしながら殺菌しま~す!濡れたままでは加工がしにくいので~、ここで風に当てま~す!乾燥は機械が全部判断してやってくれるんですけれど~、たまにエラーでカリカリになったミイラみたいなお肉になってしまう事もありま~す。そして次がカットする装置で~す!あんまり大きいと配送や味付けが大変なので~、ここで適度な大きさにしま~す!たま~に『お肉を丸焼きで食べたい』という特別な注文が入るんですけど~、その場合はカットせずにそのまま真空パックしますね~。カットが終わったらもう一度洗浄と殺菌をしま~す!ここまで来れば皆さんも見た事あるお肉の形になってますね~。後は真空パックをされて~、皆さんの住んでいる地域の配送センターに送られて~、皆さんのおうちや給食を作る施設に送られま~す!お肉の培養から発送までしっかりと管理されているので~、皆さんのお肉が違う人に食べられてしまうって事は無いので安心してくださいね~。ちゃんとその人に合ったお肉を作って~、その人の所へ送ってるんですよ~!稀に自分の好きな人のお肉を食べたいなんて思っちゃう人が居て~、工場に忍び込もうとする事もありますけど~、そんな事をすると法律違反で捕まっちゃうからダメなんですよ~?皆さんは絶対にやらないで下さいね~?他にもですね~、自分のお肉を自分の好きな人にこっそり食べて欲しいな~んて考える人が居ますけど~、それも絶対ダメで~す。ちゃんと自分のお肉は自分で食べましょうね~。こっそりと騙して食べさせるのもダメで~す!あ、先生、今、顔をそらしましたね?ダメですよ~?ダメです。ダメなんですからね~?はい!じゃあそろそろ次のエリアに行きま~す!このエリアはちょ~っと寒かったけですけれど~、それもここまでで~す!この先は暖かくなっていますからね~。は~い、並んで~。また二列になって付いて来てね~!この扉を潜って新しいエリアへ進みま~す、こちらで~す!はいそのまま~、進んで~、進んで~!はいストップ~!全員入ったかな~?入ったね~?ちょっとこの線の所まで詰めてもらえるかな~?はい!それじゃあ~、次は培養されたお肉の食用以外の利用法について説明しま~す!さっきの培養ポッドで培養されたお肉ですが~、全部が全部食べるためのお肉になるわけではありませ~ん!じゃあ~、食べる以外に何に使うのか分かる人居ますか~?……これもほぼ全員ですね。先生、ちゃんと授業の成果出てますね!流石です。安心しました。はい、手を降ろしていいですよ~、皆さん知っているみたいなので今更ですが~、培養されたお肉はケガや病気をした時の医療用の素材として使われま~す!事故で腕を切っちゃった人には腕を成長促進させて移植したり~、内臓がダメになっちゃった人は内臓を新品に交換したりしま~す!他にも輸血用の血液や~、髪の毛が減ってきた人に毛根を移したりだとか~、皆さんにはまだ早いけど老化防止のお薬なんかにも使われま~す!真奈美お姉さんの肌がピッチピチなのもこのおかげで~す☆昔はおじいさんやおばあさんになると肌がしわしわになったり~、骨が脆くなってきたりして背中が曲がったりしてたんですが~、このバイオミート工場が出来てからはそういう人は亡くなりました~。見た目を20歳や30歳ぐらいで止めている人だらけですね~。はい、ここで皆さんにクイズで~す!真奈美お姉さんは何回か老化防止のお薬を使っているのですが~、今年で何歳になるのでしょうか~?え~?30歳~?40歳~?え、10歳!?君~、お姉さんをからかっちゃダメだぞ☆正解は~なんと90歳でした~!皆さんのおじいさんやおばあさんよりも年上なんで~す!見えないでしょ~?じゃあ~、そろそろ最後の見学エリアの準備が出来たみたいなので~、また二列になってから進みま~す!いいかな~?あ!そこの君と~、君と~、奥の君と~、右の、そう、君~、今言われた子はエプロンがちょっとズレちゃっているから~、一度先生達に直してもらってね~、それ以外の子達は先に行くよ~!はい二列になってね~!扉をくぐりま~す!は~い!付いて来てるかな~!実は時間が押しているのでちょっと早足になりま~す!こっちで~す!大丈夫かな~?皆さん来たね~?先生方、大丈夫でしたか?OKです?OKです?あ、はい。では行きましょう。え~、このエリアは特別に通路を下に降ろしていて~、皆さんと同じ年代ぐらいのお肉が見れる様になってま~す!食べるお肉にするのも~、医療用のお肉にするのも~、皆さんぐらいの年代の状態が一番なんですね~。お肉の硬さは少ないですし~、それでも適度な大きさがありますし~、お薬なんかにするのにも効率が良いんで~す!あ~、ちょっと気持ち悪くなっちゃった子も居るね~?始めてはどうしてもびっくりしちゃうよね~。でも~、この培養ポッドの中のお肉は皆さんと違ってお肉なだけですから大丈夫ですよ~。目が動いたりするのも反射なだけで意思は持っていませ~ん。こっちを見ている様に見えるのは逆にどこも見ていないからそう見えるだけですよ~?まあ~、それでも気持ち悪いのは仕方ないので~、ここも早足で行きますね~。あんまり見たくないって子は前の人の頭を見て付いて来てくださ~い!ここを抜ければ見学ルートはおしまいですからね~。は~い、あと少しで~す。あの扉を抜ければおしまいで~す!あ~、走っちゃダメですよ~?はいこっちこっち~、ここで最初のときみたいに整列してくださ~い!大丈夫かな~?ちょっと泣きそうな子も居るね~?始めては泣きそうになる子が居るけれど~、このバイオミート工場の見学は毎年あるから慣れてくるので大丈夫ですよ~?来年はまた違うルートの見学になりますしね~。では~、今日のバイオミート工場見学はここまでで~す!皆さん今日はどうだったかな~?授業で勉強した事でも~、こうして実物を見ると受け取り方が違ってきますよね~?勉強は勿論大事ですけれど~、学校に居るだけじゃ分からない事も沢山あると思いま~す!皆さんはもっともっと色んな事を知って~、立派な大人になりましょうね~!じゃあ~、最後にもう一度皆さんにクイズをしま~す!このバイオミート工場で作られた皆さんのお肉と〜、牛さんや豚さんや鶏さんに嫌な思いをさせつつ血を流しながら作った物と~、食べ比べをしてみたらどっちがおいしいと思いますか~?工場で作られたバイオミートのほうがおいしいと思う人~、手を上げて~。はい!今度はちゃんと全員ですね~!良かったです!それじゃあ皆さん、今日はありがとうございました~』

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